第13話
文字数 496文字
意気揚々とマンションを出て歩く。まだキブンイーブンの看板は見えないが、だんだん気持ちが萎えて来た。さすがに今日、あの娘は出勤していないだろう。なのになぜ、あんなに浮かれていた? 久しぶりの料理が楽しいから、というのはやっぱり嘘だな、と自覚した。
それでも自動ドアを通り、決して種類が多いとは言えない生鮮コーナーへ。ブロッコリーとベーコンを手にする。いくつかのメーカーが並んでいないのは、迷わずに済むので嬉しい。そして調味料の棚へ。これもスーパーに比べ、迷わずたどり着ける。鷹の爪、粉チーズ、そしてガーリックパウダーをカゴに入れ、レジへと向かう。左右どちらのレジに並んだかは、覚えていない。
ぼーっとレジの向こうにある壁を眺めていると、小さなホワイトボードがあることに気付いた。そこに勤務表らしきイクセルシートが貼ってある。今日×が付いているのは、三人。彼女の胸にあるネームプレートを凝視しないように気を付けていたが、もちろん名前はチェック済みだ。しかし、その三人の中に、いや、シート全体にも、記憶している文字がなかった。あれは勤務表ではないのだろうか?
何なのだ? 明日も確認するしかない。
それでも自動ドアを通り、決して種類が多いとは言えない生鮮コーナーへ。ブロッコリーとベーコンを手にする。いくつかのメーカーが並んでいないのは、迷わずに済むので嬉しい。そして調味料の棚へ。これもスーパーに比べ、迷わずたどり着ける。鷹の爪、粉チーズ、そしてガーリックパウダーをカゴに入れ、レジへと向かう。左右どちらのレジに並んだかは、覚えていない。
ぼーっとレジの向こうにある壁を眺めていると、小さなホワイトボードがあることに気付いた。そこに勤務表らしきイクセルシートが貼ってある。今日×が付いているのは、三人。彼女の胸にあるネームプレートを凝視しないように気を付けていたが、もちろん名前はチェック済みだ。しかし、その三人の中に、いや、シート全体にも、記憶している文字がなかった。あれは勤務表ではないのだろうか?
何なのだ? 明日も確認するしかない。