第2話
文字数 488文字
次の朝、一本前の電車に乗ると言って家を出た。ほぼ毎朝、妻はコーヒーを淹れてくれるのだが、如何せんギリギリの時間なのだった。今朝はコーヒー無し。前の晩に言っておいたので、不機嫌な顔はされずに玄関まで見送ってくれた。いつも同じ時間の野村さんが、ゴミ出しから戻るところに出くわしたので軽く会釈する。そうか、今日は資源ごみの日か。と思い出すが、自室には引き返さなかった。
一階の自動ドアをくぐる時、少し罪悪感が芽生えたはずだが、次の自動ドアが開いたときには浮かれていた。いらっしゃいませ! 明るい女性の声がこだまする。
が、違うのだ。望んでいた声ではない。一瞬入口へと戻りかけたが、そういう訳にもいかないだろう。いつもとは逆の、左側のレジに並び、紙コップを受け取った。ホットコーヒーを右手に持ちながら、駅へとゆっくり歩く。コンビニのコーヒーってこんなに苦かったかなあ、と思う。慌ただしくて味わえないと思っていた妻のコーヒーだが、あれが旨いのかもと思った。そして、いつもより一本遅い電車で仕事へと向かう。始業には間に合うが、なんだか気分が悪い。
よし! 帰りは絶対、コンビニに寄ろう。
一階の自動ドアをくぐる時、少し罪悪感が芽生えたはずだが、次の自動ドアが開いたときには浮かれていた。いらっしゃいませ! 明るい女性の声がこだまする。
が、違うのだ。望んでいた声ではない。一瞬入口へと戻りかけたが、そういう訳にもいかないだろう。いつもとは逆の、左側のレジに並び、紙コップを受け取った。ホットコーヒーを右手に持ちながら、駅へとゆっくり歩く。コンビニのコーヒーってこんなに苦かったかなあ、と思う。慌ただしくて味わえないと思っていた妻のコーヒーだが、あれが旨いのかもと思った。そして、いつもより一本遅い電車で仕事へと向かう。始業には間に合うが、なんだか気分が悪い。
よし! 帰りは絶対、コンビニに寄ろう。