第14話

文字数 495文字

 玉葱、舞茸、ベーコン、ブロッコリーをバターで炒める。塩胡椒、ガーリックパウダー、そして鷹の爪で味を調えつつ、隣の沸騰した鍋にスパゲティを投入する。頃合いをみて(ざる)に移し、湯切り後に具が待つフライパンへと落とす。オリーブオイルをかけて麺ごと数分炒める。これで出来上がりだ。うむ、シンプルながら美味。
 久々の料理だったが、おそらく成功した。昼食の時間には食べようとしなかった娘が、いつのまにか残りも含め平らげていたから。アルデンテをとっくに過ぎたスパゲティを完食するなんて、やはり育ちざかりだ。でもこれは、最後に麵ごと炒めたことが奏功しているはずだ。皿を片付けてくれたのは、妻も満足したという証だろう。

 プライベートブランドが一般化したせいで、ゴミからキブンのロゴが露見するかもしれない。本当に個別包装が無駄だなあ、と感じつつも依然としてコソコソしている自分が不思議で仕方が無い。

 それにしても、とイクセルシートを思い出してしまう。彼女の名前がないリスト。見間違いか、覚え違いか。正しいとすれば、何故? あれは何? 考えてしまうのだ。

 明朝、確かめるしかないな! その前に可燃ゴミを必ず運ぼう。
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