第17話

文字数 494文字

 翌日の帰りも当然、キブンに立ち寄る。今日は妻に、何かスイーツでも買おう、と思って陳列棚の前で立ち止まる。ふとレジをみると、彼女の横顔。ああ、いい眺めだ。商品整理に来ないかなあ、なんて期待する。それにしても毎日働いて大変だ。目的はなんだろう? 個人的なところに関心を寄せてしまうのはダメだ。そこは自分を抑えないといけない。見てるだけ。

 右のレジに並び、支払機に千円札を入れる。ちょっと前なら、おつりの手渡しがあったのになあ、と中坊のようなことを想像した。そんな自らを恥じながら、彼女の胸元に目をやった。

 !

 ネームプレートが、変わっている?

「や○○ち」だと?

 髪の毛で隠れ、はっきりしない。もう一度。しかし、支払機が既に釣銭を吐き出していたので、長居はできない。明らかに怪しい。顔を拝むことなく、右に向き直り、自動ドアへと向かった。

 ドアの向こうには中学生らしい男が三人。飽きもせず毎晩ここで駄べっている。彼らへの恐怖心は和らぎ、同類かとも感じる。お前たちももしかして、あの娘目当てに通っているのか? と話しかけたくなったが、もちろん止めておいた。

 うおー、イクセルシートを確認したいぞ!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み