第2話  今年の桜は、短かった。

文字数 715文字

東京の西の方に住んでいます。
具体的には控えておきたいけれど、多摩川が近いです。
なので春になると、桜がたくさん咲くのです。
昨年も花見は盛り上がらず、今年2021年は禁止。
コロナの歴史に「花見中止」はどのように記されるのでしょう。
それでも地元の皆様は、桜を愛でます。
自治体や商店街主催の「さくら祭り」が中止になっても
桜は咲くし、散っていきます。

多摩川も長いけれど、私の住んでいる場所は、静かに
桜を楽しめるのが気に入っています。

地元の「祭り」もありません。メディアに出ることも皆無。
それでも毎年、数百メートルの桜が咲き誇ります。
土手に桜を植えるのは、そこに人が集まり、土が踏まれて
堅くなるから、と昔聞いたことがあります。
現代はコンクリートで護岸するから、その意義はないかも
知れないけれど、地元の人が行き交い、挨拶をして、子供たちが
嬉しそうにしていたり、高齢者も楽しそうにしたり、それは幸せな
光景を共有できることが大切だと思うのです。

中目黒。何もなかった頃は、静かに桜を楽しめただろうに。
都内は空が狭いから、桜も縮んで見えてしまうと思うのは
少し意地悪でしょうか。

今年は、桜の季節が短く感じました。
桜のニュースが少なかったからかもしれないが
メディアに出なかった地元の桜でさえ、あっという間に葉桜になってしまった。
けれど、それは良いことだと思っていて
既に新緑へと樹木は生き生きとしています。
緑のグラデーションは、桜のピンクに勝って、活力を与えてくれます。
私には、そう感じられるのです。

年々、季節が早くなっているのは、温暖化の影響ですね。
今年の桜は、卒業式を彩ることが出来ました。
入学式までは、さすがに辛かったかな。
今年も咲いてくれて有り難う。











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