第43話  レコードを聴く (2)

文字数 655文字

この令和の時代にあって、アナログ文化が再燃しているという。
それも10代、20代のいわゆるZ世代、X世代?に刺さっているという。
つまり「フィルムカメラ」であり、「レトロ趣味」であり、「古民家めぐり」や
「筆記具ブーム」なども、全部スマホで済ませてしまえるのに、逆のベクトルを
持っているものばかりだ。

レコードは面倒くさい。A面とB面がある。そこに記録される時間も決まっている。
そもそも、AからBへという流れが決まっている。いや「聞いてほしい曲順」になっているのだ。
もちろん、好きな1曲だけをリピートして聞くのも自由だ。すごく面倒だけれど、昭和の音楽ファンは、それをやっていたんですね。

配信は基本「1曲」だろうが、レコードのLPとなると、8曲が基本だと思う。
その1曲それぞれに物語があり、独立も連鎖もしている。なぜそう思えるか?は歌詞を読んで
いたりするからだ。歌詞カードってものがありまして、作詞・作曲・編曲 担当の音楽家が
書いてある。作家の名前を見て、評論家よろしく納得したり、批評してみたり、それは
楽しかった。いまでいうツイートやインスタの感情を自分だけ、もしくは親しい友人まで
には共有できても、その先が無かった。

少し脱線・・・レコードを聴くということは、自分の時間を自分で予約して、聴くための
時間を先取りすることだ。だからこそ、面倒でも「味があり」「嬉しく」なるのだ。
30年前くらいは「ご趣味は?」と聞かれたら、10人中7人くらいが「音楽鑑賞です」って
答えていた。その主役コンテンツは「レコード」だったのですね。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み