第58話 天候の都合。

文字数 867文字

先日、私の勤めるショッピングエンターで次のようなことがあった。
夜19:30からの屋外イベントが予定されていました。
そのためにお客様は「事前ワークショップ」でランタンを作ることになっています。
時間は15時と16時ほどに設定されています。
ここ1週間以上、東京の天候は荒れ気味です。まず酷暑。そして予報にも出ない
急な雨。
そんな中、イベント会社は午前中から「雨模様なので中止にしましょう」と言います。
天気予報が雨だから・・・という真っ当な理由。
それでも外は雲一つない好天です。
結果は中止判断は直前にすることにしました。
お客様にもそれを(急に中止になる)理解していただいたうえでワークショップに参加
していただきます。
長くなるので短縮すると、19:30までの間に、雨は2回(それぞれ10分くらい)
降りました。それでも、イベントは中止にしませんでした。
イベント運営担当者は、2回「中止にしましょう」と言いました。
それでも「相当の理由」が見当たらなかった。彼の理由は「天候が悪い」だけ。
雨は降るけれど、10分経ったら天気になる。
きっと、このような事例は日本全国、いたるところであるのだと思います。
私が大切にしたいことは「お客様の安全と、思い出作りの機会」です。
もちろん運営には費用もかかっていますので、中止にしてしまえば費用は最大限の
効果を生みません。
それ以上に、ワークショップで作ったランタンを上げさせてあげたい。子供たちの
笑顔を、家族に見せてあげたい。そのためには「何を、どうしたらよいか?」を
ギリギリまで考える。すべてを「天候の都合」にするのは無責任だと思うのです。

結果として、無事に催行出来ました。企画した担当者が思い浮かべて「映える」光景とは
かなり違ったけれど、子供たちもお客様も喜ばれていたし、中にはランタンで「プロポーズ」
したカップルもいたようです。

改めて思ったことは、「映える」イベントの価値って何でしょう。
そこにいるお客様が、夏の思い出として楽しんでいただけたら、SNSで「いいね!」が
ゼロでも最高の価値になるのではないでしょうか。







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