第57話 小学生。

文字数 531文字

職場に小学生(3年生75名)が見学に来ました。3班に分かれての行動とのこと。
私の職場は「ショッピングセンター」です。地元の子供たちは、もっと小さな時から来ているし、
今さら何を見たいというのか?と思いましたが、パパ・ママと来るのと、「係のお兄さん、お姉さん」が説明してくれるのでは、それは違いますよね。
 私は様子をうかがっているだけでしたが、皆が小さなメモ帳を持っています。班ごとということは、班長さんもいるはずです。ちなみに引率の先生は最後尾でした。
 担任の先生から相談の電話があったのが6月。この役目を、普段PR活動を担当する若手(30代)男性に任せました。彼本人も子育て真っ只中。彼から先生には、事細かなメールが数通送られていることも知っていました。
 見学が終わった、その日の夕方。担当した先生からメールが入ります。
「早速ですが、子供たちが御礼の手紙を書きたいと言っています。送り先はどこが良いですか?」
令和の小学生は義理堅い。普段買い物に何百回も来ているショッピングセンターに、違う角度から見てもらったわけだが、それぞれに何か、発見があったのだろうか。
もう彼らの「祖父」年代と言ってもおかしくはない自分は、その手紙が届いたならば、きっと
泣いてしまうだろう。

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