第34話   最近の若い人。

文字数 631文字

勤務先に大型のファッション店舗が出来た。いまや国内どころか海外にも
多く出店するグローバル企業。その店長は20代だろう。スタッフ40名あまり。全員が自社製品を着ている(当然か)
昨日オープン。オープン直前の「朝礼」を物陰から聞かせていただいた。

台本なし。
偉い人の「訓示」無し。
トップは店長だから。

私は思いきり昭和世代。エリアマネージャーとか、部長に挨拶さえなくて
いいのか?と勘ぐってしまう60歳を手間の感覚だ。

店舗に大切なことは、元気と笑顔と、お客様への気持ち。この3つ程度が理解されていれば概ね合格と思っているが、店長の言葉にはそれ以上に「熱意」がこもっていた。
なにより20日間ほどでアルバイトにも芽生えたであろう「一体感」がオーラとして伝わってくる。朝礼後の「集合写真」と「円陣」は、体育会系の部活動さながらだが、ここまでくると「羨ましさ」しか感じない。

事前に聞いていた売上目標を軽く200%越える初日の実績。
よく「開業景気」とかで一瞥する輩もいらっしゃるが、この時代賢い
消費者は、それだけでは大切なお金を使わない。メディアは年代を区切り
自分達の分析力をひけらかすように「○○世代」と勝手に名付けるが、
本人およびその年代には響かずに、ただ若さゆえのまっすぐな熱を
目の前の「仕事」に燃やしているだけだ。

これなら伸びるわけだ、と妙な感心と共に
朝礼を聞いていて泣きそうになった自分のピュアさを
少し誉めてあげたい。

ちなみに、その店では私が着れるようなアイテムは、少ない。









ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み