第26話 司会の失態後編
文字数 4,755文字
「え?」
「水?」
「どうした?」
唖然とする選手達。
「え? 水が?」
「水がどうかしたのかしら?」
司会は、マイクを口元から離しその言葉を発した為、客達にははっきりとは聞こえなかった。だが、
【水が】
という場違いなキーワードだけは、拾ってしまった様で、観客全員の耳と頭に残る。
そして、徐々にではあるが、その彼の言う、
【水】
の正体が明かされていく……それは、司会の股間から、謎の染みの様な物として浮き出てきた。
そして、それは、少しずつ、だが、確実に広がっていく。
そして、いつまでもそこに留まる事は当然許されず、飽和状態を迎え、耐え切れなくなったそれは、
【ぽたぽた……ぽたぽた】
と、重力に従い滴 り始める。
その、股間から漏れてしまった謎の液体。彼は水 。と言っていたが、当然違うのだ……勘の良い皆さんならもう既に気付いた筈。
それは、お笑いのコンテストと言う大舞台の司会進行中に、30代後半の男性の股間から【だけ】は決して溢れ出てしまってはいけない液体。
それは、膀胱内の水分が80%まで達すると、大脳への伝達で催し、そこで初めて放出したくなる欲求が芽生える筈の液体。
だが、咄嗟の恐怖により、そのステップを二段上りし、一気に放出されてしまった、今はまだその時ではない液体。
尿意を催した際、トイレの小便器や、尿検査で、一枚の紙を点線に従って折って作った紙コップや、酔っぱらいのオヤジが、酔った勢いで、電信柱にのみ放出する事が許される液体。
そう、言うまでも無くおしっこである。
【汚失故】
確か漢字で書くとこんな感じだったか? ぬ? 違うか? まあ良い。少し漢字ドリルでもして、赤クレヨン先生に採点してもらうか……
汚失故は、書いて時の如く、床を汚 し信頼を失 う悲しい事故 。
をイメージしたのだが……間違っていたか……失礼。
漢字技能検定はまだ所持していないのでな、よく間違えてしまうのだ。だが言いたい事は伝わってくれた筈だ。
まあ、成分の約98%が水であり、ほぼ水だという事は間違いない。だが完全に水ではない。尿素を約2%含み、他にも微量の塩素、Na、K、Mg、リン酸などのイオン、クレアチニン、アンモニア、ホルモンを含む。
まあそれを垂れ流す姿を見た人間が抱くイメージは、余りいい物では無い。
例えどんなに高い身分の人でも、然るべき場所で放出出来ないなら人として、いや、生物として見下されてしまう。
例えば、有名司会者の夕モ利が、お昼休みにウキウキと大都会の街中。
人込みの中で、笑顔でそれを撒き散らす様に放出していたらどうだろう? その場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。
当然タモ利の好感度もガタ落ちである。まあそれ以前に猥褻物陳列罪で逮捕である。
まあ多額の保釈金ですぐに釈放されるだろうが……法律的に許されたとて、大衆はそれを許してはくれないだろうな。50年近く積み上げてきた信頼は、決して取り戻せない。
そのたった一回の行為で、0まで? 否、マイナスまで落ち込むであろう。別にそれを足に引っ掛けられても死ぬという危険な液体でもないのにな。飲療法と言う健康法まであると言うらしいが、私はやる事はないだろう。
そう、信頼は積み上げるのは大変だが失うのは一瞬。
そんな危険性のあるおしっこを……大舞台のド真ん中での放出。いわゆるおもらし……
【汚喪裸死】
確か漢字で書くとこんな感じだったか? 違ったか……まあ良い。漢字検定1級に向け学習すべきであろうか? まあ後程な……
大体の意味は、自分の意思を無視し放尿してしまう現象だな。私は当然こんな事はやった事は無い。
語りの女神カタリナの加護を受けし神聖な職業の語り部であるからな。
だが、イメージで話すが、過去に何かしらの恐怖で放出し、その時と同じ経験をしたせいで、再びこの様な悲劇が起きてしまったのかもしれない。
彼の過去はまだ分からないが、いずれ関係者から明かされるかもしれないな。
だが、彼は恐らく今、謎の解放感と快感を味わっているかもしれない。
プールやお風呂の中でこっそり放出する行為に似た快感を味わえる筈。
あれも中々快感であろう。語り部ともあろう者がそんな事をやる筈もないので完全なイメージでの話であるがな!
だがその更に上回る物が存在するとすれば、収容人数3万人の客席が満員のスタジアムの舞台上での汚喪裸死だろうな。
その例え様のない快感に解放感、背徳感は、放出者本人しか体験できぬ貴重な物であろう。ある意味そんな体験が出来た彼は私達に想像を超える大物になる可能性を秘めている。そう、沢山の経験値を積んでいる分、私達よりレベルが高いという事になるからな。私達がぼーっとテレビを見ている時、頭は全く働いていない。故に経験値など全く積んでいない。
それに引き換え司会は、沢山の観客の見守る中放出できたその奇跡は、彼にとっても、その取り巻きにとっても、二度と忘れる事の出来ない【ひとなつ♡の思い出】になりそうである。
ハァ……考えてみれば今までは薄っぺらく惨めな小説であった、だが、まだお下品な要素だけは無かった。そう、お上品な小説を貫いてこれたのだが、ここで終わりの様だ……そこだけは誇れるところだったのだ。唯一のな。
しかし、ここにお下品な要素まで追加されてしまったのだ……この司会のせいで……奴はもう稼ぐこともせず、追い打ちを掛ける様にこの小説をおしっこで汚してしまったのだ……こんなのさあ酒を飲まずにはやってられないよぉ……
だが、観客達の目には遠すぎて当然届いておらず、舞台上の数名のみしか気づいていない為、大騒ぎにまではならなかった。
「あっちゃー(wwwww)」
アリサは今の今まで元気よく実況していた気の良いおっさんが、水でもない物を【勝手に水が……】と言い、汚失故を漏らしてしまったという現実を目の当たりにし、悲しそうな顔をして、左手をオデコに当てる様な動作をする。まあ、内心は大爆笑であるが……
「あるぁ? むぉんたっつぃ? むぁすぅあくぅわおむぉらすぃ? すおんぬぁことぅはいつぃどぅおむぉぬぁかっつぁふぁずぅぬぁのぬぃ……すぉういぅえヴァすいヴんほきゅうきゅうくぇいをぉとっつぁヴぁっかるぃよぬぇ? どぅえむぉおすぃっこっとぅえぇーすぉんなぬぃにはゆぁくぅどぅえるくぁすぃるぅあ? ハッ……すぉういえヴぁ、すぇんしゅうふぇんぬぁムェールゥぐぁくぃたっつぇふぁぬぁすぃすぃとぅえつぁわぬぇえ……すぉるぅえぐわぁくわんくぇうぃすぃつぇるぬぉくわぁすいるぁあ?」
ぬ? ほほう、客席から、司会のお漏らしが見えている人が居る様だ。良く見ると、望遠鏡でその様子を見ていた様だ。
しかも、あのニックネームで呼んでいる事から、かなり親しい間柄と思われる。そして、この喋り方は十中八九蘇我子であろう。またも懲りずに登場してしまった様だ。出しゃばりなモブキャラであるな……仕方ない、訳すとする……( ゚д゚)ハッ!!!!!! いた! 居てくれた!! まだ……繋がっていた!!!!
ぬ? どうしたのだであるだと? すまない、取り乱した……だが、皆さん! まだ、蘇我子がいた。私は余りマークはしていなかったのだ。
だが、上記の常軌を逸したもの凄い量の意味不明の文章を見て欲しい! それを彼女は無料で【稼いで】くれているではないか! それも周様や司会の比ではない程に!!!!!! そうなのだ! 別に語尾を伸ばすだけが文字数稼ぎではないのだ! 私は先入観から元気一杯で語尾を伸ばす方達のみが【稼いでくれる人】なんだ! と、その古い頭で勝手に決めつけていたのだ……そして【ノバシスト】と言う専門用語まで作成し敬った。だが、今この瞬間あの意味不明の文章を見た瞬間に奇跡的に閃いてしまった。
そう、私自身の頭を幼稚園児の様な柔軟な頭にし、あらゆる物を柔らかくして考えるだけで良い。そして、分かったのだ。
どういう事であろうか? だと? うむ、分かった解説するぞ! そう、まず始めに理解不能の長文を書いて置く、だがそれは意味はあるだろうが、誰一人として理解できない。このままではいけないな? 伝わらなければただの文字列にすぎない。だからそれを私が訳す。
たったこれだけの事である。こんな簡単な事で膨大な文字数が稼げる!!!!!!
ああ、もう終焉を迎えたとばかり思っていたが、まだこの小説は終わっていなかった。
私は蘇我子と言う金脈を掘り当ててしまった!!! 時代はGR に突入したのだ! 神よ……そして、蘇我子よ……いいや蘇我子総理大臣様先輩大統領殿下よ……感謝する! だが、勘違いしないで欲しい。私はこの程度で満足した訳ではないぞ? 私は貪欲にこれからも新たなジャンルの文字数稼ぎをして下さる人を発掘していくつもりだ。この命続く限り!
そう、この薄っぺらく惨めな小説を、本物とする為にはもっともっと沢山の文字数が必要なのだ! 文字数の多さは小説の面白さ。これは歴史が証明している。だから、私は、これだけでは決して終わらぬぞ!! まだ別の形で、別のアングルで見る事で、稼ぐ力を持ちし者
【稼文字王 】
は幾らでもいる筈。それをあれこれ頭の中で考えるだけでもワクワクして来るな……私はここに誓う! どんなに辛くても、泣いちゃいそうでも、新たな人材をこれからも発掘していくという事を! そしてその方々と手を取り合い、共に高めあっていくという事を!!!!!! 期待していて欲しい! では……早速訳を入れて行こう♪
訳「あら? もんたっち? まさかお漏らし? そんな事は一度も無かった筈なのに……そう言えば水分補給休憩を取ったばかりよね? でもおしっこってそんなに早く出るかしら? ハッ……そう言えば、先週変なメールが来たって話していたわね……それが関係しているのかしら?」
と彼女は言っていた。これを聞く限り、司会と無関係とは言い難いな。
「……」
赤面し俯いて黙りこくる司会。流石にお漏らしした直後に元気一杯と言う訳にはいかない様だな。人並の羞恥心は備えている様である。ここは少し安心した。こやつの性格上、この状況下でも
「おっとお!? 私の股間から溢れるモンスターエナジーが暴走しちまったぜぇ?」
等と床のおしっこの水たまりの上で、実況しだしてもおかしくないからな。だが、流石に杞憂だったな。
普通の感情を持っていて安心したぞ。もしも上記の言葉をほざこう物なら容赦ない語り部ビームの連打を浴びせる事になったであろう。
ぬ? 登場人物との過度な絡みを取り締まった語り法2525条だと? そんな物は存在しない!
「しゃあねえ、流石に一時中断だよな……スタッフー来てくれ!」
「あー良かったぜ。休み時間しっかりトイレ行っといて。俺も緊張で漏らしていたかも知れねえ」
8番の火村は、おしっこは漏らさなかったが、本音を漏らす。
「たッ、ただいまより10分の休憩を挟みます! すいませんスタッフーモップお願いします!」
「おいいいいい? 休み時間頻繁だなああああああああ?」
この世界で唯一文字稼ぎが出来る最高の男周様も、その休み時間の多さに辟易している。
「何か申し訳ないわ……」
「でも梓さん司会が怖いネタに弱いって知ら7かったんでしょう? 7ら仕方7いですよ」
「wwwwwひぃひぃ」
ダンダン♪
アリサは床を叩きつつ笑っている。
ざわざわ ざわざわ
「え? 急ねえ。また休み時間よ? どうしてかしら? しかもモップって? どういう事?」
「分からないよ」
「フンガー?」
クルクルクル……
1080度首を回転させつつ不思議がるフンガー。
観客は突然の休憩に戸惑う。そして、4番の腕章の白川が、司会を連れて舞台から退場する。
その様子を見ていたスタッフも慌ててアナウンスする。
待ち時間は、アリサ達も控室で休憩する事になった。
「水?」
「どうした?」
唖然とする選手達。
「え? 水が?」
「水がどうかしたのかしら?」
司会は、マイクを口元から離しその言葉を発した為、客達にははっきりとは聞こえなかった。だが、
【水が】
という場違いなキーワードだけは、拾ってしまった様で、観客全員の耳と頭に残る。
そして、徐々にではあるが、その彼の言う、
【水】
の正体が明かされていく……それは、司会の股間から、謎の染みの様な物として浮き出てきた。
そして、それは、少しずつ、だが、確実に広がっていく。
そして、いつまでもそこに留まる事は当然許されず、飽和状態を迎え、耐え切れなくなったそれは、
【ぽたぽた……ぽたぽた】
と、重力に従い
その、股間から漏れてしまった謎の液体。彼は
それは、お笑いのコンテストと言う大舞台の司会進行中に、30代後半の男性の股間から【だけ】は決して溢れ出てしまってはいけない液体。
それは、膀胱内の水分が80%まで達すると、大脳への伝達で催し、そこで初めて放出したくなる欲求が芽生える筈の液体。
だが、咄嗟の恐怖により、そのステップを二段上りし、一気に放出されてしまった、今はまだその時ではない液体。
尿意を催した際、トイレの小便器や、尿検査で、一枚の紙を点線に従って折って作った紙コップや、酔っぱらいのオヤジが、酔った勢いで、電信柱にのみ放出する事が許される液体。
そう、言うまでも無くおしっこである。
【汚失故】
確か漢字で書くとこんな感じだったか? ぬ? 違うか? まあ良い。少し漢字ドリルでもして、赤クレヨン先生に採点してもらうか……
汚失故は、書いて時の如く、床を
をイメージしたのだが……間違っていたか……失礼。
漢字技能検定はまだ所持していないのでな、よく間違えてしまうのだ。だが言いたい事は伝わってくれた筈だ。
まあ、成分の約98%が水であり、ほぼ水だという事は間違いない。だが完全に水ではない。尿素を約2%含み、他にも微量の塩素、Na、K、Mg、リン酸などのイオン、クレアチニン、アンモニア、ホルモンを含む。
まあそれを垂れ流す姿を見た人間が抱くイメージは、余りいい物では無い。
例えどんなに高い身分の人でも、然るべき場所で放出出来ないなら人として、いや、生物として見下されてしまう。
例えば、有名司会者の夕モ利が、お昼休みにウキウキと大都会の街中。
人込みの中で、笑顔でそれを撒き散らす様に放出していたらどうだろう? その場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。
当然タモ利の好感度もガタ落ちである。まあそれ以前に猥褻物陳列罪で逮捕である。
まあ多額の保釈金ですぐに釈放されるだろうが……法律的に許されたとて、大衆はそれを許してはくれないだろうな。50年近く積み上げてきた信頼は、決して取り戻せない。
そのたった一回の行為で、0まで? 否、マイナスまで落ち込むであろう。別にそれを足に引っ掛けられても死ぬという危険な液体でもないのにな。飲療法と言う健康法まであると言うらしいが、私はやる事はないだろう。
そう、信頼は積み上げるのは大変だが失うのは一瞬。
そんな危険性のあるおしっこを……大舞台のド真ん中での放出。いわゆるおもらし……
【汚喪裸死】
確か漢字で書くとこんな感じだったか? 違ったか……まあ良い。漢字検定1級に向け学習すべきであろうか? まあ後程な……
大体の意味は、自分の意思を無視し放尿してしまう現象だな。私は当然こんな事はやった事は無い。
語りの女神カタリナの加護を受けし神聖な職業の語り部であるからな。
だが、イメージで話すが、過去に何かしらの恐怖で放出し、その時と同じ経験をしたせいで、再びこの様な悲劇が起きてしまったのかもしれない。
彼の過去はまだ分からないが、いずれ関係者から明かされるかもしれないな。
だが、彼は恐らく今、謎の解放感と快感を味わっているかもしれない。
プールやお風呂の中でこっそり放出する行為に似た快感を味わえる筈。
あれも中々快感であろう。語り部ともあろう者がそんな事をやる筈もないので完全なイメージでの話であるがな!
だがその更に上回る物が存在するとすれば、収容人数3万人の客席が満員のスタジアムの舞台上での汚喪裸死だろうな。
その例え様のない快感に解放感、背徳感は、放出者本人しか体験できぬ貴重な物であろう。ある意味そんな体験が出来た彼は私達に想像を超える大物になる可能性を秘めている。そう、沢山の経験値を積んでいる分、私達よりレベルが高いという事になるからな。私達がぼーっとテレビを見ている時、頭は全く働いていない。故に経験値など全く積んでいない。
それに引き換え司会は、沢山の観客の見守る中放出できたその奇跡は、彼にとっても、その取り巻きにとっても、二度と忘れる事の出来ない【ひとなつ♡の思い出】になりそうである。
ハァ……考えてみれば今までは薄っぺらく惨めな小説であった、だが、まだお下品な要素だけは無かった。そう、お上品な小説を貫いてこれたのだが、ここで終わりの様だ……そこだけは誇れるところだったのだ。唯一のな。
しかし、ここにお下品な要素まで追加されてしまったのだ……この司会のせいで……奴はもう稼ぐこともせず、追い打ちを掛ける様にこの小説をおしっこで汚してしまったのだ……こんなのさあ酒を飲まずにはやってられないよぉ……
だが、観客達の目には遠すぎて当然届いておらず、舞台上の数名のみしか気づいていない為、大騒ぎにまではならなかった。
「あっちゃー(wwwww)」
アリサは今の今まで元気よく実況していた気の良いおっさんが、水でもない物を【勝手に水が……】と言い、汚失故を漏らしてしまったという現実を目の当たりにし、悲しそうな顔をして、左手をオデコに当てる様な動作をする。まあ、内心は大爆笑であるが……
「あるぁ? むぉんたっつぃ? むぁすぅあくぅわおむぉらすぃ? すおんぬぁことぅはいつぃどぅおむぉぬぁかっつぁふぁずぅぬぁのぬぃ……すぉういぅえヴァすいヴんほきゅうきゅうくぇいをぉとっつぁヴぁっかるぃよぬぇ? どぅえむぉおすぃっこっとぅえぇーすぉんなぬぃにはゆぁくぅどぅえるくぁすぃるぅあ? ハッ……すぉういえヴぁ、すぇんしゅうふぇんぬぁムェールゥぐぁくぃたっつぇふぁぬぁすぃすぃとぅえつぁわぬぇえ……すぉるぅえぐわぁくわんくぇうぃすぃつぇるぬぉくわぁすいるぁあ?」
ぬ? ほほう、客席から、司会のお漏らしが見えている人が居る様だ。良く見ると、望遠鏡でその様子を見ていた様だ。
しかも、あのニックネームで呼んでいる事から、かなり親しい間柄と思われる。そして、この喋り方は十中八九蘇我子であろう。またも懲りずに登場してしまった様だ。出しゃばりなモブキャラであるな……仕方ない、訳すとする……( ゚д゚)ハッ!!!!!! いた! 居てくれた!! まだ……繋がっていた!!!!
ぬ? どうしたのだであるだと? すまない、取り乱した……だが、皆さん! まだ、蘇我子がいた。私は余りマークはしていなかったのだ。
だが、上記の常軌を逸したもの凄い量の意味不明の文章を見て欲しい! それを彼女は無料で【稼いで】くれているではないか! それも周様や司会の比ではない程に!!!!!! そうなのだ! 別に語尾を伸ばすだけが文字数稼ぎではないのだ! 私は先入観から元気一杯で語尾を伸ばす方達のみが【稼いでくれる人】なんだ! と、その古い頭で勝手に決めつけていたのだ……そして【ノバシスト】と言う専門用語まで作成し敬った。だが、今この瞬間あの意味不明の文章を見た瞬間に奇跡的に閃いてしまった。
そう、私自身の頭を幼稚園児の様な柔軟な頭にし、あらゆる物を柔らかくして考えるだけで良い。そして、分かったのだ。
どういう事であろうか? だと? うむ、分かった解説するぞ! そう、まず始めに理解不能の長文を書いて置く、だがそれは意味はあるだろうが、誰一人として理解できない。このままではいけないな? 伝わらなければただの文字列にすぎない。だからそれを私が訳す。
たったこれだけの事である。こんな簡単な事で膨大な文字数が稼げる!!!!!!
ああ、もう終焉を迎えたとばかり思っていたが、まだこの小説は終わっていなかった。
私は蘇我子と言う金脈を掘り当ててしまった!!! 時代は
そう、この薄っぺらく惨めな小説を、本物とする為にはもっともっと沢山の文字数が必要なのだ! 文字数の多さは小説の面白さ。これは歴史が証明している。だから、私は、これだけでは決して終わらぬぞ!! まだ別の形で、別のアングルで見る事で、稼ぐ力を持ちし者
【
は幾らでもいる筈。それをあれこれ頭の中で考えるだけでもワクワクして来るな……私はここに誓う! どんなに辛くても、泣いちゃいそうでも、新たな人材をこれからも発掘していくという事を! そしてその方々と手を取り合い、共に高めあっていくという事を!!!!!! 期待していて欲しい! では……早速訳を入れて行こう♪
訳「あら? もんたっち? まさかお漏らし? そんな事は一度も無かった筈なのに……そう言えば水分補給休憩を取ったばかりよね? でもおしっこってそんなに早く出るかしら? ハッ……そう言えば、先週変なメールが来たって話していたわね……それが関係しているのかしら?」
と彼女は言っていた。これを聞く限り、司会と無関係とは言い難いな。
「……」
赤面し俯いて黙りこくる司会。流石にお漏らしした直後に元気一杯と言う訳にはいかない様だな。人並の羞恥心は備えている様である。ここは少し安心した。こやつの性格上、この状況下でも
「おっとお!? 私の股間から溢れるモンスターエナジーが暴走しちまったぜぇ?」
等と床のおしっこの水たまりの上で、実況しだしてもおかしくないからな。だが、流石に杞憂だったな。
普通の感情を持っていて安心したぞ。もしも上記の言葉をほざこう物なら容赦ない語り部ビームの連打を浴びせる事になったであろう。
ぬ? 登場人物との過度な絡みを取り締まった語り法2525条だと? そんな物は存在しない!
「しゃあねえ、流石に一時中断だよな……スタッフー来てくれ!」
「あー良かったぜ。休み時間しっかりトイレ行っといて。俺も緊張で漏らしていたかも知れねえ」
8番の火村は、おしっこは漏らさなかったが、本音を漏らす。
「たッ、ただいまより10分の休憩を挟みます! すいませんスタッフーモップお願いします!」
「おいいいいい? 休み時間頻繁だなああああああああ?」
この世界で唯一文字稼ぎが出来る最高の男周様も、その休み時間の多さに辟易している。
「何か申し訳ないわ……」
「でも梓さん司会が怖いネタに弱いって知ら7かったんでしょう? 7ら仕方7いですよ」
「wwwwwひぃひぃ」
ダンダン♪
アリサは床を叩きつつ笑っている。
ざわざわ ざわざわ
「え? 急ねえ。また休み時間よ? どうしてかしら? しかもモップって? どういう事?」
「分からないよ」
「フンガー?」
クルクルクル……
1080度首を回転させつつ不思議がるフンガー。
観客は突然の休憩に戸惑う。そして、4番の腕章の白川が、司会を連れて舞台から退場する。
その様子を見ていたスタッフも慌ててアナウンスする。
待ち時間は、アリサ達も控室で休憩する事になった。