第44話 慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル

文字数 7,999文字

「ではこのお題で戦っていただきます」

「負けねえぜ?」

「私だって!」

「では画像班お願いします!」

「はいっ!!!!!!!!!!」
お? 気合が入っている画像班。何故なのだ?



ぬ? ぬわーーーーーーーーーっ!!! な、何だこれは? 怒虎よりも大きい人? の顔が、怒虎を今正に食しようとしているのか? そ、そうか……たった今、あれ程までに画像班が気合が入っていた理由が分かったぞ。このインパクトのある画像を見た客なら、絶対度肝を抜かれる! と、いう事を事前に予想出来ていたからあんな得意気だったのか……してやられたわ……しかし、何と言う事なのだ……こんな巨大な顔の生き物が存在するというのか……世界は広いな……だが……大きいとは言えど、気品が漂っている気がする……何と言うか……そうだ……ギザウツクシスナァ……ハッ! ブンブン! 私は何と言う……しかし、ギザとは……? 私の中で一体何が……それに私にはケイトと言う女神がいるというのに……なんとふしだらな男だ……頼む! こんなふしだらな私を見ないでくれ……今だけは……しかし、この女性? 私すらを魅了してしまうとはどういう……む! 分かったぞ! この方は人ではない! ぬ? 気でも触れたかだと? 大丈夫だ。今は正常だ。先程頭が乱されおかしな事を言っていたがな……既に

【おれはしょうきにもどった】

それと同時に、気付いてしまった。そう、このお方は……

【女神】

だ。しかも、先程のお題にも出ていたヘカトーンケイル。それに属するギガー久、野球がとっても得意な源辰徳や、☆飛雄馬。サイクロプ久にティターソに韓国の巨人格闘家チュホソマソや工レソ・イェーガー等ほとんど全ての巨人族を統べる超女神。

【慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル】

という事をな……いや、正確には、少々短めの肩書が付く。それは、

【遥か上空にそびえし天空優美金剛宮を居城をとし、慈愛と寵愛と友愛の力で全巨人を支配せし、現役愛弗(げんえきアイドル)にして、舞台、龍支配四(トラクエ4)、御転婆姫役も務め、究極絶対の明眸皓歯(めいぼうこうし)な唯一無二妖艶超越慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル】

であった。私程の聖人ですら魅了出来る力があるのも、彼女の人知を超えた神魅力にかかればしょうがないわなぁ……しかし、何故運営はこんな写真を持っているのだ? ……いや、これは仮説であるが、この写真は彼女本人が撮影したのかもしれぬ。
どういう事か? と言うと、この画像は、インスタキログラムにスイーツを食べる瞬間を自撮りし投稿しているOLのノリで撮影された物なのだ。そう、女神スマホを女神スタンドで固定してな。
彼女も女神とは言え女の子だ。自分がスイーツを食する瞬間を皆にシェアしたかったのかもしれぬ。みんなに《いいね!》や、《お気に入り登録》をされたいと言う願望があったのだろう。そう、彼女が意図的に広めた物なのだからこの様にお笑いの大会のお題としても使われても仕方がないだろう。
そして、この画像から私は気付いてしまった。それは、怒虎を頭からかぶり付いている様から、彼女はたい焼きも頭から食う派なのだろうという事だ。かなり乱暴な食べ方だな。
ぬ? それが普通じゃん。それか尻尾から食べるしかないじゃん。お前は尻尾から食べる派なのか? だと? それは違うな。それでは結局女神のやっている事と何も変わらないだろう。私の場合オーソドックスな型で面白味もないが、お皿の上に置き、スプーンで片方の皮を食した後に、中の餡をストローで吸い、残ったもう片方の皮はお湯で戻し、少し水を飛ばしたら生卵を混ぜてしっかりとこねて、180度のオーブンで15分焼きクッキーにして食べちゃう派なので、素手で掴み食べる様な乱暴な方法は到底出来ぬ。
ただ、こしあんのたい焼きの場合は大丈夫だが、つぶあんであると、大粒の小豆がストローですすり切れず残ってしまう為、通常のクッキーから残った小豆の入った小豆クッキーになる。これもこれで美味しい。是非試して下さいね♡しかし、怒虎の表情を見て欲しい……私達が憧れ、目標としていたあの強くて逞しい怒虎が……まるで借りて来た猫の様に大人しくなってしまっている……絶対的な力の差に絶望し、凛とした表情の怒虎ですらそんな表情にならざるを得ないという事か……
       △ △
【助けて……(= ;ω;=)】

と、訴えかける様な瞳で私を見て来るのだ……人の身でありながら烏滸(おこ)がましいとは思うが、神獣の彼に同情を禁じ得ない……終焉を悟り、諦めに満ちた表情。私はこんな彼の表情を見るのは初めてかもしれぬ。ご存じの方も多いと思うが、怒虎は神獣、いや、全生物の中でも最高峰にポジティブな獣なのだ。どんな時でも前向きに捉え、前進していく。
その教えは、人間でありながら、怒虎達にその精神を植え付けたと言われている

【松谷修造】

から授かった金科玉条。創造主の神よりも尊敬している唯一の人物。彼の教えの特長は、悪いとされている物の中でも良い部分がある。それを見つける事で何事もポジティブに生きようぜ! と教えている。例えば太ってしまえば、みっともないと嘆くのではなく、貫禄が出た! と喜び、髪の毛が薄くなってしまえば、頭寒足熱が捗ると歓喜し、大好きな限定スイーツの行列に並んだ時も、自分の前の人で売り切れ、待たされた5時間が無駄になったとしても、その間、前の人と楽しくおしゃべりが出来、初対面ではあるが、

「甘党と言う共通の趣味を持つ者同士と触れ合う事が出来たから別にいいにゃん」

と、心の底から喜べる様な、そんな前向きな神獣なのだ。弱音も決して吐かない。そして、もしも生命の危機にさらされる様な出来事に対面したとて、最後の最後まで決して諦める事なく、その苛烈な運命に抗い、それどころかそれを楽しみながら戦い、そしてその全てを乗り越えて来た。それに全力であれば光と全く同じ速さで走る事が出来る怒虎。相手が女神であったとしてもこんなあっさり捕らえられる事などあってはならぬ事だ。まあ女神が光よりも速ければどうしようも無いもんなあ……しかし、彼の表情からは抵抗をする気概が一切感じられぬ。まな板の上の鯉状態……最早逃げようとする気力すらないという事か……

「何度ギザ逃げてもギザ無駄ですよ。ぬふふぅww」

と一回捕まった時に釘を刺されてしまったという事か……ギザオリハルコン製の釘をな……そしてそれがハッタリでは無いという事を実際に味わってしまったと言う顔だ……これ程までに前向きで諦めが悪く、極限までに鍛錬された肉体の持ち主ですらこの慈愛と進撃の巨人女神に掛かれば、あっさり捕らえられ、彼女のスイーツに早変わりしてしまう。この神聖な生物を食べようと言う考えに至るとは……彼女の発想力は尋常じゃないな……流石慈愛と進撃の巨人女神だ。しかし、やけに豪華なスイーツであるな……魔力の塊であるぞ? だが逆に考えると、彼女の慈愛と進撃の巨人女神力は、これ程の存在を食さなければあっと言う間に枯渇してしまうのかも……だとすればこれはやむを得ない犠牲なのかもしれない……そう、神の世界でもあるのだ。
【弱肉強食】

が、な……否、厳密には

【神獣肉慈愛と進撃の巨人女神食】

であったな……

「サイコロタイムです。たあ! 1ですね。白川さんからです!」

「うーむ……よし!」
相変わらず早いな……

「どうぞ!」

『去年に比べて、5ミリ程すり減っています』
ドッ

「成程。岩が風によって少しずつ削られていく浸食の様に、この子も舐め続けられた事でそっち側だけすり減ってしまったんですね……自然の厳しさを感じるお答えですね……」

「ではアリサさんの番です!」

「えー? 難しいなあ……」

「時間は幾らでもありますので、安心して下さい」

「あっ! これならいいかも!」

「おお、早い! ではどうぞ」

『血圧130の78、HDLコレステロール53、LDLコレステロール122、HbA1cが4,6、視力は右目0,003で、左が2,0、体重6キロの体脂肪率30です。はい! どれもギザ正常ですね』

『あにょー、他に検査方法ってにゃいんですか?』
ドドッ

「ああ、これは捕食の瞬間では無く、町の診療所でののどかな検査風景だったんですね? 口で触れる事で、内部の情報を読み取れる、ただのスーパードクターだった? 人は見かけによりませんね。しかし検査されている側の右目の視力が極端に低いのはどういう事なのでしょう? まさかこの検査の影響で下がってしまったのでしょうか? そうだとしたらギザハイリスクですね。そしてこれだけ視力が低いのにギザ正常だって言ってますよ? どう考えてもおかしいですよ? ギザって何なんですか? 教えて下さい!! 謎が多いですね。うーん……これは……アリサさんでしょうかね?」

「よっしゃああ」

「まあいい、これは難しかったぜ」

「では次のお題です」


ん? これは? 恐らくそういう種類のお茶であろう。これにどう言葉を加えればお笑いになると言うのだ? 選手のセンスが試される難問と言えないだろうか?

「ではサイコロですっやあっ! 4ですね。偶数なので、アリサさん先攻です」

「うーんどうしよう……」

「ゆっくり考えて下さい」

「うーんうーん……あっこれで行って見よ」

「どうぞ!!」

『時々キツネの髭も混ざっている』
ドッ 
「コーン茶なだけに? 成程」
ぬ? ちょっと待てよ? おかしいな……確かキツネの鳴き声は……すまぬ、度忘れしてしまった。ちょっと調べておくか……確かアリサが言うには

【不思議に思った事は1分以内に自分自身で調べる!】

だったよな……ならば急がなくては!! ゴソゴソ えーと、

【語り専用PC 】

内に住んでいる

【語り専用GOOGLE先生】

で検索してっと……まずはkでしょ? ポチ。で、次が……Iで、ポチ。その次は確かtで……次は……yか? あっUじゃない? どっちだったっけ? ううむ良く分からぬ……そしてN、Eで何とか全体の40%達成した。ぬふうぬふう……お茶を飲まなくては……この作業は水分の消費が著しい…… グビグビ。では続きだ。憂鬱だなあ……でも頑張らなきゃ!! ええっと……N、O、で、次が……N、A、K、I、G、O、Eッと。ああ、終わったぞ。やっとだ……ヌハァヌハァヌヒィヌヒィヌフゥヌフゥヌへェヌヘェヌホゥヌホゥ……辛いなあ……また命……使っちゃったね……そして! エンターキーを力強くターン!! 

★☆ターン☆★

おっと出て来たぞ……ほほう……やはりそうだ……アリサよ、まさかお主ほどの女がこの重大な勘違いに気付いていないというのか……
「では、続いて白川さんです」

「うーむ……」

「さあ、悩んでいる!」

「これか? いや……これしかない」

「どうぞ!」

『コーン茶お1つですと600円のところ、姉妹品のローン茶 (600円)と、ユーン茶 (600円)をセットで買うと、1980円でお買い求めになれます』
ドドッ
「おっと1980円と言う2000円に少し届かない数字を見せる事で、お得感を出しているのでしょうが、簿記2級の資格を有し、家計簿を毎日付けているこの私は騙せませんよ? これらはそれぞれ単品で買った方がお得です! しかし、ローン茶ユーン茶はどんな味がするんでしょうね? ユーン茶は想像が付きませんが、ローン茶はローン地獄の苦しさに(なぞら)え、とても苦いお茶なのでしょうか? えーと、これは白川さんでしょうね」

「よし」

「流石プロね……まあ諦めないけどさ!」

「では第8問目です」


これはキツネであるな。可愛いな。うむ、安らかな寝顔で癒される。
ようやく普通のお題登場である。こういう事もこの運営は出来るのだな。少し安心したぞ。
今まではキワモノばかりで、考る余裕なかったからな。こう言う考えやすいお題なら、素人の私でも思い付くかもしれぬな。

「サイコロタイムはい! 5ですね? 白川さんの先攻です」

「よし……きたぜ!!」

「どうぞ!!」

『コン美さん! ケッコーンして下さい! 新コーン旅行は、コーンゴ共和国で、お笑い芸人のキングコーンゴのコーントを鑑賞しながらコーンデンスミルクをたっぷりかけたコーンフレークを食べましょう!!』 

『オーマイガッ……ガッデムガッデム! コーンチクショウのコンコンチキがぁ』
コンコン

『コン美さん? どうしたのです!? 頭をコンコン叩いたりなんかして??』

『悔しいの。嬉しくて……そして……悔しい』

『え? そ、それは一体……? 悔しいという事は、もしかしてケッコーンしたいけれど何か理由があって……ハッ……まさか僕がただのアルバイトだから、ご両親が許してくれないのですか?』

『コン吉さん。あなたには何一つ落ち度はないの。全ては私……私のこの体』

『あなたの体がおかしい? 何がでしょう? 私は何一つおかしいとは思いません。あなたの美しいオレンジ色のボディと、その美ボディが包み込む幻想的な青の球体とのコーントラスト。究極の美です。ずっと見ていたい位に!』

『……OHそんな風に思っていただなんて……嬉しい……嬉しいけど……アイムソーリーヒゲソーリーワキゲソーリーケツゲソーリー。実は私、姿やツイッターのアイコーンは狐に似ているけど、実はウェブブラウザのファイガフォックスなの』

『そ、そんな……コーンなにも可愛いのに? コーンなにも美しいのに? でも通りで最近パソコーンの速度がサクサクだし、プライバシーを一切侵害せず、スピードとツールを揃えてくれるし、ファイガフォックスブラウザーはユーザーに関するデータをほとんど収集しないため、ダウンロードの際にメールアドレスもいただきませんし、他社ブラウザーとは異なり、金銭的利益を求めてウェブ上でユーザーを追跡する必要がない訳だよ……コーンなの、コーンなのって……酷いよ……ズコーン』
ドドドッ
 かなり長めのネタだ。白川も中々やるな。しかし、ネタの随所に紛れ込んでいる【コーン】と言うワードは何なのだ? まさかそれをキツネの鳴き声として認識していて、それと掛けているのか? フッ成程な。だとしたら白川は本来のキツネの声を知らないただの阿呆だと言う事だ。
こやつはそんな事も知らずに紫色の髪の毛をして、Gと書いてあるTシャツを着ているという事か。そんな事をする前にやるべき事があるであろう! 芸人にとって、動物の鳴き声の把握は必須科目と言っても良い程重要な物。
芸人は、ネタ中で色々な役になり切らなくてはならないのだからな。保険の勧誘員や学校の先生。何にでもなる。そして、時には犬になる場合もある。その時、にゃー等と言ってしまっては、恥以外の何物でも無い。
全く、話にならないな。まあこれも仕方のない事であろう。あのアリサも同じミスをしていたしな。
私も先程気になったので1分以内に調べたばかりなのだ。その事をしっかりと語らねばならぬ。キツネはコーンとは泣かない筈である。
本来のキツネの鳴き声とは、犬の様に「ワン」と吠えたり、「キューン」とか「キャー」と鳴くのだ。これは私が先程調べたページだ。見て欲しい。


この様に……ん? 下の方にもまだ何かあるぞ? ほほう……


何だと? コンコンと鳴く場合もあるのか。その場合とは、求愛時の……ハッ……何て事だ……何故私はコーンな事に気付けなかったのだ……何も知らない阿呆なのは……他ならぬ、私だ……白川の演じた、振られてずっこけたコン吉さんは、今正にコン美さんに求婚をしていた最中であった……だから、異性と対峙している時は、コンコンもしくはコーンで正しいのだ。
奴は……そこまで考えていたと言うのか? くそぅ……白川は全く間違っていなかった……キツネのTPOに応じた鳴き声の使い分けを調べずともしっかり出来ていたのだ。
わ、私は、検索してしたり顔になり、最重要部分を把握出来ていないままに語ってしまっていた……そうだ。知識をひけらかそうとして、逆に恥をかいてしまったのか……哀れであるな……次からはしっかりと最後まで調べてから語らなきゃ……皆さんにお願いがある。
数行上に語られていた内容は脳みそから全て消去してくれ……頼む アリサよ、奴は、手強いぞ! 気を引き締めて戦うのだ……ぬ? 見なかった事にしてやるからお前もこのお題をやれだと? 確かにそんな様な事を語った様な……はたまたそうでもない様な……そんな気もしないでもないが……何故今なのだ? 私は今恥を掻いちゃってしおれている状態の語り部だぞ? 物語の進行だけで精いっぱいだ。そんな暇はないのだ! 絶対に嫌である! 今はこんな素人のキツネネタなんぞより、この戦いの行く末の方が楽しみであろう。また後で気が向いたらな!

「なんと! まさかコン吉さん女の子キツネとウェブブラウザを見間違えてプロポーズしていたと言うのですか? 確かファイガフォックスのアイコンってこんな形ですよね?


そして、そのアイコンが、コン吉さんに生身のキツネではない事をバレずにお付き合いしていたという事なのですか? うーん……一瞬で気付くと思いますが……恋は盲目と言う言葉もあります。本当に気付かなかったのでしょうね。そしてお題のあの画像は、最後に振られてしまい、ずっこけているシーンを表しているという事なんですね? 成程! 斬新でいいですね。では後攻のアリサさんどうぞ!」

「うーんうーん」

「ゆっくりでいいですよ?」

「ハッ! 閃いた!」

「どうぞ!」

『ねつきいいきつね』
ドドドッ

「ほほう、俺のネタには劣るがなかなかいいな」

「おお確かに寝つき良いですね……? ハッ! こ、これまさか回文になっていませんか? 分かるんですよ私。先輩に教えて貰いましたから」

「え? 何の事?」

「コネこそ子猫。これも回文です」

「あっもしかして司会の言ってたやつ? あなた司会の後輩なんだ」
(そういえば控室で誰かが言っていたような気がする)

「そうです。私はずっとそれを胸に抱き生きています。お陰で私は今、この大舞台の司会進行と言う華やかな仕事が出来ています。味噌先輩の言う事は間違っていなかったんです」
確かに彼の後輩でなければ代理でも司会に抜擢される事は無かっただろう。コネを作っておく事は大事なのかもしれぬ。

 因みに回文とは、
【たけやぶやけた】

とか

【イタリアでも〇モでありたい】
などの逆から読んでも全く同じ響きになる言葉を指す。
例に挙げた2つの回文には無かったが、一般に濁音、半濁音、促音、拗音は、清音と同一として考える事が多い。
すなわち、「は行」と「ば行」と「ぱ行」、「つ」と「っ」、「や」と「ゃ」などは逆にした際に入れ替わっても問題ないものとするルール。
だが、アリサは逆から読んでも同じ響きになる様な綺麗な回文を瞬時に作っただけでなく、寝ている狐の写真とも見事マッチさせたのだ!!

「パッと閃いたんだよね。ここまで冴えてるのは初めてかもね」

「凄い! ですが白川さんもかなり長いネタで良かったんですよね。甲乙付け難いです。
うーん……分かりました! ここは、会場の皆さんの判断に任せましょう!」

「なにい?」
某タイヤ人のエリート王子をほうふつとさせるなにい? を放ってしまう白川。

「え? やった! まだチャンスはある! みんなお願い! アリサに力を貸して!」

「では白川さんだと思う方々は拍手お願いいたします!」
パチパチパチパチ

「ではアリサさんだと思う方々は拍手お願いいたします!
パチパチパチパチパチ

「グッ……あんな短いネタに……」
とは言っても白川は、それ以上強く出られない。それは、その短い中に色々な技術が集約されている事実を認めざるを得ないからだ。

「これはもしかして……私?」

「うーん、これは微妙ですが、アリサさんでしょう! おめでとうございます!」

「よかったーみんなありがとう♡私、まだ、舞えるんだ!」
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