第24話
文字数 506文字
「キノコって言えばねぇ・・・」とスフィンクスがなまめかしい目つきで言う。
イイモノがあるのよ。めちゃくちゃアタマが冴えてくるやつ。次からの謎かけは、キノコを燻しながらにしない?
思いがけぬスフィンクスの提案に、カスウィザードは笑ってうなずいた。(ひさしぶりだな、幻覚剤なんて。ポナンに散々教え込まれたからな)
小人の王パックだけが、頬をひくつかせていた。
従者モームが、大烏の羽で器用に鍋を運んできた。部屋の真ん中にしつらえられた、煉瓦製の炉にくべ、甕から水を注ぐ。炉には木炭が敷き詰められていた。スフィンクスが口から火を吐いて、木炭を燃やす。鍋が煮えたところで、スフィンクスは懐から七色に輝く世にも美しい一本のキノコを取り出した。それを鍋に投じると、ほどなくして特殊な香りがスフィンクスの館全体に満ちていった。
その香りは、懐かしいような、遠くを憧れさせるような、それでいて性的な動機をもうごめかせるような…。
まずはパックがやられた。
「あhh、あは、あは、還ったぞ、王の帰還さ、俺は小人たちの楽園を再びこの世に築いたんだ。俺の罪は許された・・・」
涙まで流し、恍惚とした表情で呟くパックは、心から安らいでいるように見えた。
イイモノがあるのよ。めちゃくちゃアタマが冴えてくるやつ。次からの謎かけは、キノコを燻しながらにしない?
思いがけぬスフィンクスの提案に、カスウィザードは笑ってうなずいた。(ひさしぶりだな、幻覚剤なんて。ポナンに散々教え込まれたからな)
小人の王パックだけが、頬をひくつかせていた。
従者モームが、大烏の羽で器用に鍋を運んできた。部屋の真ん中にしつらえられた、煉瓦製の炉にくべ、甕から水を注ぐ。炉には木炭が敷き詰められていた。スフィンクスが口から火を吐いて、木炭を燃やす。鍋が煮えたところで、スフィンクスは懐から七色に輝く世にも美しい一本のキノコを取り出した。それを鍋に投じると、ほどなくして特殊な香りがスフィンクスの館全体に満ちていった。
その香りは、懐かしいような、遠くを憧れさせるような、それでいて性的な動機をもうごめかせるような…。
まずはパックがやられた。
「あhh、あは、あは、還ったぞ、王の帰還さ、俺は小人たちの楽園を再びこの世に築いたんだ。俺の罪は許された・・・」
涙まで流し、恍惚とした表情で呟くパックは、心から安らいでいるように見えた。