第14話
文字数 556文字
その晩、カスウィザードは夢でうなされた。
鳥頭の、杖を持った仙人みたいなやつが現れて、カスウィザードの頭をしきりとつつき、髪の毛をついばむのだ。カスウィザードは髪の毛をちりぢりにむしられ、天然パーマのような頭になってしまう。『もけもけの木の樹液の油を付けるといいよ』と誰かが言っているのだが、もけもけの木は炎熱のカスケーニャ地方にしか生えていない、幻の木なのだ。そんなら天パで一生を過ごそうと決めた時、ふいに目の前にタイプの子が現れて、『サラサラヘアーって素敵』とのたまうのだった。絶望して、カスウィザードの目が覚めた。
「ひどい夢を見た・・・」我とも知らずつぶやく、カスウィザード。「どうしたんだ?」とパックが湿らした布で顔を拭いながら聞いてくる。
「鳥の、祟りかな?」顔をひくつかせながら、無理にも笑って見せるカスウィザードであった。ともなく、こうして、カスウィザード一行は三日目の朝を迎えたわけだ。
カスウィザードが地図とにらめっこをして割り出した計算では、スフィンクスが住む洞窟まで、彼らの足で五日分のキョリ。残りあと丸二日で踏破せねばならないのだが、朝の夢を振り払い起き抜けの素振りをやりだした彼の、次第に生気に満ちてくる表情を見る限り、行程は順調に進んでいるらしい。
陽が斜めに差すころ、彼らは歩みを再開した。
鳥頭の、杖を持った仙人みたいなやつが現れて、カスウィザードの頭をしきりとつつき、髪の毛をついばむのだ。カスウィザードは髪の毛をちりぢりにむしられ、天然パーマのような頭になってしまう。『もけもけの木の樹液の油を付けるといいよ』と誰かが言っているのだが、もけもけの木は炎熱のカスケーニャ地方にしか生えていない、幻の木なのだ。そんなら天パで一生を過ごそうと決めた時、ふいに目の前にタイプの子が現れて、『サラサラヘアーって素敵』とのたまうのだった。絶望して、カスウィザードの目が覚めた。
「ひどい夢を見た・・・」我とも知らずつぶやく、カスウィザード。「どうしたんだ?」とパックが湿らした布で顔を拭いながら聞いてくる。
「鳥の、祟りかな?」顔をひくつかせながら、無理にも笑って見せるカスウィザードであった。ともなく、こうして、カスウィザード一行は三日目の朝を迎えたわけだ。
カスウィザードが地図とにらめっこをして割り出した計算では、スフィンクスが住む洞窟まで、彼らの足で五日分のキョリ。残りあと丸二日で踏破せねばならないのだが、朝の夢を振り払い起き抜けの素振りをやりだした彼の、次第に生気に満ちてくる表情を見る限り、行程は順調に進んでいるらしい。
陽が斜めに差すころ、彼らは歩みを再開した。