日曜日夜の使者

文字数 498文字

 俺はベッドに横になったまま薄目で時計を確認する。

-16:39-

 俺は誰もいない空間の中で舌打ちをした。それはそれは大きな舌打ちだ。

 俺は嫌になった。もうすぐ日曜が終わってしまう、という事実と今日の自分の行動という現実の二つを鑑みて嫌になった。

 二度寝、三度寝を繰り返して11時過ぎに起き出して部屋の掃除をしよう!と意気込んだもののBGM代わりに流していた動画に夢中になりそのまま動画巡りをしてまたウトウトして今に至るわけだ。

 最悪だ。自暴自棄に陥っていると枕元に置いているスマホが着信を告げる。

 手繰りよせて名前を確認して電話に出る。

「よう」
「おう」
「突然なんだけど今日この後ヒマ?」
「なんで?」
「飲みにいこうぜ!」
「今から?」
「今から!」

 会話のラリーを止めて俺は考える。俺は知っている。電話の主は月曜休みの仕事で俺は明日また朝早くからお仕事なのだということを。

-そして、数瞬の後俺は答える-

「何時から?」
「18時は?」
「OK、18時な。場所は?」
「○○駅で」
「了解」
「じゃあ後ほど」
「りょーかい」

 かかってきたときと同じくらい唐突に電話は切れた。
 俺は起き出した。

 まずは…シャワーからだな
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