第7話 校長室
文字数 562文字
「それで、先生はそのぬいぐるみのことをあけみが知ってるって思ったんだ」
小早川が電話をして、あけみがぬいぐるみのこと知らないか聞いてほしいと伝えた。
ところが、その電話にあけみの母親であるさとみが食いついてきて、校長室に乗り込んでくるということになってしまったのである。
小早川が事情を話すとあけみの母親は、小早川は問い詰めた。
校長は黙ったまま何も言わない。
あけみは母親の隣で下を向いて座っている。
「先生はあけみが盗んだと思ってるんだよなあ。なんか証拠でもあるん?」
小早川に確たる証拠はない。ただ、今までのあけみの行動から、あけみが怪しいと思っていた。母親にそう言われてしまうと何も答えられない。
「あけみさんには悲しい思いをさせてしまい申し訳ありませんでした」
黙っていた校長が口を開いた。その言葉を聞いて、小早川は諦めた。
−あけみに間違いない。それは確かだ。だが、それを見たという証言はなかった。
木堂さとみは小早川を見つめている。勝ち誇ったように、あきれた顔をして。
翌日からも創一のぬいぐるみを探した。クラスの子たちにも話して探してもらったが見つからなかった。
「もういいよ。みんなにもいつまでも探してもらってるのも悪いし」
創一がそう言ってくれて、この件は幕を閉じた。
春休み、小早川は次の学校へと異動した。
小早川が電話をして、あけみがぬいぐるみのこと知らないか聞いてほしいと伝えた。
ところが、その電話にあけみの母親であるさとみが食いついてきて、校長室に乗り込んでくるということになってしまったのである。
小早川が事情を話すとあけみの母親は、小早川は問い詰めた。
校長は黙ったまま何も言わない。
あけみは母親の隣で下を向いて座っている。
「先生はあけみが盗んだと思ってるんだよなあ。なんか証拠でもあるん?」
小早川に確たる証拠はない。ただ、今までのあけみの行動から、あけみが怪しいと思っていた。母親にそう言われてしまうと何も答えられない。
「あけみさんには悲しい思いをさせてしまい申し訳ありませんでした」
黙っていた校長が口を開いた。その言葉を聞いて、小早川は諦めた。
−あけみに間違いない。それは確かだ。だが、それを見たという証言はなかった。
木堂さとみは小早川を見つめている。勝ち誇ったように、あきれた顔をして。
翌日からも創一のぬいぐるみを探した。クラスの子たちにも話して探してもらったが見つからなかった。
「もういいよ。みんなにもいつまでも探してもらってるのも悪いし」
創一がそう言ってくれて、この件は幕を閉じた。
春休み、小早川は次の学校へと異動した。