話合い。

文字数 1,266文字

翌日。
神楽坂の家。
とりあえず、車掌と駅長は僕の部屋で遊んでるから。
話合いに参加するのも難しいだろうから…。
そうですね。
お腹空きました。
なんか食べたいです。
これ食ってろ。
クッキー。
ふぅん、なかなか。
もっと。
あぁ、ボロボロこぼすな。


とりあえず、何から聞こうかな…。
なんで偽物連れてきたんですか?
来ると思ったよ。
まず、あの時何が起こったのか聞いてもらいたい。
お願いします。
…どうぞ。
なんとか駅の外に出た俺は、建物の上を探すことにした。
多分出入口のすぐ側にあると踏んだからな。
案の定、屋根の上にあった。
腕時計だ。壊れて動いてない。
見た目は普通だが、不思議な何かを感じた。直感で、これが鍵だってわかったんだ。
これがそうなんですね。
確かに変哲のない、普通の腕時計です。
あとはこれを持って戻ればいいって時だった。
後ろから突き落とされたんだ。
いつの間にか後ろに一匹いたらしい。
突然だったから受け身も取れず、地面に叩きつけられた。
痛みで身動きも取れなくなった俺は、せめてこれを壊すことで鍵を封じようと思った。
だが、壊すのに使えそうな道具も持ってなかった。
周りにもあいつらが集まってきて、もうどうしようもないと思った。
そしたらこいつが来たんだ。
感謝してください。
…もちろんしてる。
正直そこからはよくわからない。
担ぎ挙げられて、そのまま意識を失った。
気がついたら電車の中だった。
改めて聞きますけど、どうしてこの人を助けようと思ったんですか?
私だけで行っても、あなたにボコボコにされるだけだと思ったので。
本気出せば返り討ちに出来ないこともないですけど。
それよりは、恩を売った方が楽に進むと思ったので。
…あっそ。
狐山さん。
あなたはその前から、偽物さんを助けようとしてましたね?
どういうことですか。
同じ顔だから情でも湧いたんですか。
正直な所、由香里と同じ顔をしていたからというのもある。
だがそれ以上にこいつの、外へ出てみたいって気持ちを強く感じた。
敵意も無いみたいだったしな。
手錠と足枷についても聞かせてください。
お見通しか…。
あれは俺がこいつに指示して付けさせた。
上手く交渉する作戦だったんだけどな。
まさか由香里があそこまで容赦なく捩じ伏せるとは…。
じゃあ、最初から偽物を連れ出すために、私を欺こうとしてたってことですか。
そのまま頼んでも許してくれなさそうだったからな…。
…回りくどい。
手錠の鍵を持ってるから、解放してほしかったら私も連れていきなさい。ってなる予定だったんだ。
麻矢さんがボコボコにしてしまった、わけですね。
あの。
ん?
さっきから偽物だのこいつだの。
私も麻矢由香里なんですけど。
何言ってるんですか。
コピーの分際で私を名乗らないでください。
そう言われても、私はあなたのコピーとして作られたのだから、私が意識している私は、麻矢由香里でしかないので。
私の記憶がある訳じゃないですよね。
記憶はないですけど、私は私です。そして私は麻矢由香里です。
うーん、困ったことになったね。
じゃあ、名前をつけよう。
あとで何かつけてあげてください…。
とりあえず話の続きを。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

麻矢由香里

恵西高校の2年3組
超常現象は肯定派。

神楽坂浩二

恵西高校の1年1組。
超常現象は肯定派。

ツチコさん(?)。


公園の砂場に現れる女、という都市伝説。

地下に現れた謎の女性。
桜田と名乗っている。

魚田先生。

FBI部の一応顧問。興味が無いので最低限しか部のために働かない。

木浦
1年1組の図書委員

板垣。

1年1組。FBI部の幽霊部員その1

羽鳥。

1年1組。FBI部の幽霊部員その2

坂井。

1年1組。FBI部の幽霊部員その3

蔦凪百合子さん。

フラワーショップ蔦凪の店長さん。

おばさん。

いろんなおばさん。(使い回し)

モブ学生。

モブの学生

狐山博人。

3年3組。入部希望者、

マスター

喫茶『エル』のマスター。

少年。

とある場所で発見された少年。

少年。

とある場所で発見された少年。

麻矢由香里?

神楽坂浩一。

神楽坂浩二の兄。

恵西高校の三年生。

探偵部の部長…?

西園寺・ドラグノフ・桜子

2年3組の転入生。

モブ女子

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色