作戦会議
文字数 1,674文字
やっぱりまだわからないところが多すぎますね。
とりあえずまずは、神楽坂くんの想像を聞かせてください。
そうだね…とりあえずわかってることから推測していこう。
まず、あの駅だけど、恵央駅って言うみたいだよ。
駅長と車掌が言ってたから、間違いないと思う。
調べたんだけど、特に検索には引っかからなかった。
今度図書館とかで調べてみましょう。
作られる予定だったけど、計画が無くなったとかそういうのかもしれません。
あの双子の正体はわからない。
もしかしたら、図書館で何か掴めるかもしれない。
それから、もっと根本的な疑問なんだけどさ。
偽物の正体、ですか？
いや、それもなんだけど。
僕達が聞いた都市伝説って『消える駅』だよね？
あの場所って、明らかに駅以外の場所までおかしくなってたよね。
…あぁ、ほんとだ！
探索に夢中で全然気付いてなかったです！
あの恵央駅は多分本物だと思う。
公園の砂場から行けた地下洞窟みたいに、本来そこに無いものが繋げられてるんじゃないかな。
となると、あれも宇宙人の秘密基地ですかね。
あの廃墟みたいな街はなんなんでしょうね？
どっから持ってきたんでしょうか。
うん。
そもそも今回の都市伝説自体が、存在しないはずの空間に行けるっていうものだから。
地図で見たって、恵西駅から恵東駅の間に、あれくらいの駅を配置するなんて不可能だもん。
あいつらはそれに目をつけたんじゃないかな？
どこから持ってきたのかはわからないけど、異空間になんでも持ってこれるのは好都合だろうから。
地下と違って、無限に広げられるし。
…あ、あの地下洞窟も、別に公園の真下にある訳じゃないのか。
もしかしたら、あの街も洞窟と繋がってるかもしれない。
やっぱり基地。ですかね。
目的はわからないね。
とりあえず、放っておくわけには行かなさそうな。
あ！そうだ！
ツチコさんの時は、偽物を葬って終わりましたよね？
今回はどうするべきなんでしょうか？
あそこに溢れかえってる偽物どもを一掃すればいいんでしょうか？
うーん…あれは機械で無限に増えちゃうからなぁ…。
機械ごと破壊出来ればいいんだけど、きつねやまさんによると、かなり頑丈みたいだから。
爆弾でもあればいいんだけど、僕らの手に負えることじゃないよね。
ん。
そうなると、公園のあれもヤバイんじゃないですか？
砂場の底からまだ洞窟にワープ出来るんですよね？
いや、それなんだけどね。
あそこに移動するためには、鍵みたいなのが必要なんだ。
それが、あのペンダントだったんだよ。
桜田さんのペンダントですね。
…何故そんなことを知ってるんです？
…まぁ、想像なんだけどさ。
あながちハズレじゃないから怖いんですよ。神楽坂くんの想像は。
もうあの穴埋めちゃいましたし、もっかい掘り起こす人もいないか。
大丈夫そうですね。
ん？ってことは、あの駅から街を繋げてる何かもあるんじゃないですか？
そういえば、駅から街に出るための出口、片側が封鎖されてて一方しか使えなかった…！
つまり、あそこがゲートなんだ！
あとはそこを繋げてる鍵を見つければ…！
なんか用語が増えてきましたね。
それっぽくて楽しいです。
とりあえず、僕達がやらなきゃいけないことがハッキリしたね。
駅と街を繋ぐゲートの破壊…は出来ないので、鍵を取っちゃえばいいんですね。
いや、鍵だと、かける。って言い方が正しいのかな。
言い方はまぁ、いいよ。
それと、きつねやまさんは…
いいんじゃないですか。あんな人。
私と偽物で選べないような人なんて。
お兄さんだったんだね。
…一応、兄です。
苗字が違うのは、家族を捨てて出ていった父親の姓だからです。
私と姉は母の旧姓。
あの人も父親と一緒に出ていったので。
お姉さんとは、双子ってこと？
えぇ。
姉とは全然似てないですけど。
姉は最高の姉なんですけどね。
兄は最低でした。
昔は仲良かったんじゃないの？
なんでそんなに…。
父親の味方するのが許せないんですよ。
なんであんなクズ庇うんだか。
…昔話はこの辺にしましょう。
今はあんまり話したくないです。
また今度聞いてください。
そうだね。ごめん。
そしたら、今日もまた同じ時間に集合でいい？
えぇ。
待ってます。
