第25話 ロキシー・ミュージック

文字数 421文字

「アヴァロン」というアルバムがある。
「モア・ザン・ディス」(邦題「夜に抱かれて」)から始まるこのアルバム、ヨカッタ。
 ブライアン・フェリーは哀愁漂うヴォーカリストである。他のアルバムでは、ジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」を、哀調ここに極まれり、という声音で歌っていた。

 80年代の音楽なので、丁寧で、「ここにはこの音」というふうに必然性のある音を奏でている。
 文章もそうだけど、「ここには、この言葉」というのがあって、そのシックリさが途切れないで仕上げられた文章、そういうものを求めたい。
 シックリさは、自分にしか分からないような、手応えのようなもの。でも、まず発現者たる自己が、ともかくシックリくることが大事である。

「モア・ザン・ディス」だけでも、このアルバムは、聴く価値があるように思う。シックリさが、伝わってくるから。
 加藤和彦がブライアン・フェリーの影響を受けたことも頷ける。
 しかし、80年代の音楽は、何故、こうも優しいのだろう?
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