第2話

文字数 340文字


「ジェード先生、そろそろ体育館へ来てください」

 声を掛けられて顔を上げる。何処かクラスの担任教師だろう。全く知らない顔だが、相手はもう、此方の名前を憶えているらしい。凄いなぁ、教師と言うのは頭が良いのだ。
 体育館に案内され、扉を開くと、むわっと子供の汗っぽい香りと、ひそひそ声が溢れかえって来た。どうやら、会が始まるまで、束の間のお喋りということのようだ。
 この後、ウヴァロヴァイトの商品にされるなんて、露ほども思っていないのだろう。
 そう言えば、自分がこの年頃の時代、何をしていたか、ジェードは壇に近づくように歩きながら、思い返していた。笑った覚えなんてない。ただ、いつも腹を空かせて、あとは夜を恐れていた。夜になって眠っているとこの世で一番怖い物がやって来るから。
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登場人物紹介

ウヴァロヴァイト。

ジェードの上司。

金を貸した相手にどんどん子供を作らせ、

その臓器を売って金を稼いでいるとのうわさ。

ルチル。

ウヴァロヴァイトの一番の部下。

クンツァイト。

界隈で有名な悪党組織のボス。

ウヴァロヴァイトより組織の人数は多い。

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