Prologue
文字数 624文字
実際のところ、女は痩せていてはならないのである。
胸は揺れるくらいに大きくなければならないし、尻は出ていなければならないし、丸顔の方が童顔で可愛いし、太腿にニーハイは適度に食い込まなければならない。
一方で、二重顎は許されず、ウエストはくびれていなければならないし、尻は重力に負けずに上がっていなければならないし、足首と手首と細くなければならない。
この体形を実現するには金がかかる。なにせ通常通りに生きた場合、一部だけ痩せるのは無理だし、どうしたって、女の頬の肉は垂れ下がってブルドッグみたいになっていくのだ。
よって、この体形を女に望む男と言う生き物が、女に金を大量につぎ込むべきであることは明白。
女に金をかけるためだけに男は生きるべき。
女が美しくあれないのだとすれば、それは周りにいる男の甲斐性が無いせいに他ならない。
そのせいか、彼女の目には、観客席にいる男たち、汗を流してオタ芸を繰り返す彼らの姿が、札束に見える。小銭に見えることもある。
ピンクのミニスカートに、透ける程度の黒いニーハイ、同じピンクと紺のチェック模様のオーバーパンツ。黒猫の耳と尾っぽを着けて、マイクスタンドに寄りかかるように歌声を披露する。
だが、あくまで、これ以上の露出をしてはならない。男に支持されるためには、あくまで、男の想像力に頼らなければならない。
露出をし過ぎると幻滅させるというのが、このアイドルという職業の難しいところなのだ。
胸は揺れるくらいに大きくなければならないし、尻は出ていなければならないし、丸顔の方が童顔で可愛いし、太腿にニーハイは適度に食い込まなければならない。
一方で、二重顎は許されず、ウエストはくびれていなければならないし、尻は重力に負けずに上がっていなければならないし、足首と手首と細くなければならない。
この体形を実現するには金がかかる。なにせ通常通りに生きた場合、一部だけ痩せるのは無理だし、どうしたって、女の頬の肉は垂れ下がってブルドッグみたいになっていくのだ。
よって、この体形を女に望む男と言う生き物が、女に金を大量につぎ込むべきであることは明白。
女に金をかけるためだけに男は生きるべき。
女が美しくあれないのだとすれば、それは周りにいる男の甲斐性が無いせいに他ならない。
そのせいか、彼女の目には、観客席にいる男たち、汗を流してオタ芸を繰り返す彼らの姿が、札束に見える。小銭に見えることもある。
ピンクのミニスカートに、透ける程度の黒いニーハイ、同じピンクと紺のチェック模様のオーバーパンツ。黒猫の耳と尾っぽを着けて、マイクスタンドに寄りかかるように歌声を披露する。
だが、あくまで、これ以上の露出をしてはならない。男に支持されるためには、あくまで、男の想像力に頼らなければならない。
露出をし過ぎると幻滅させるというのが、このアイドルという職業の難しいところなのだ。