第3話

文字数 382文字

 ウヴァロヴァイトは追加のプリンを頼むと、ジェードに向き直った。

「お前に潜入して貰うのは、この四月からになる。小学部の六年一組の担任教師として。よろしく頼む」

 しかし、ウヴァロヴァイトと、別グループのトップであるクンツァイトが組んで、ここまで策が練られているとなると、どんなに不安であろうがやるしかない。そして、どっちみちやるのなら、此処でのろのろしている場合ではない。少しでも準備の時間を作るべきだ。

「では、直ぐに教師のイメージを固めて、当日に間に合わせます」

「ああ、私も行くから大船に乗ったつもりでいれば良い。次の指示はおってする」

 出口に向かったジェードの背中に、声が投げられる。

「一つ言い忘れたことがあった」

 ぱっと振り返る。ウヴァロヴァイトは、ちょうど届いた新しいプリンを一口食べると、舌でその滑らかさを確かめながら微笑んだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ウヴァロヴァイト。

ジェードの上司。

金を貸した相手にどんどん子供を作らせ、

その臓器を売って金を稼いでいるとのうわさ。

ルチル。

ウヴァロヴァイトの一番の部下。

クンツァイト。

界隈で有名な悪党組織のボス。

ウヴァロヴァイトより組織の人数は多い。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み