第1話

文字数 389文字

 曰く付きの学校だからこそ、安く買い取れたのだろうが。しかし、不安は募るばかりだった。教師をやるだけではなく、まして、そんな学園に放り込まれるとなれば。
 ジェードが素直に不安を伝えると、ウヴァロヴァイトは右手を挙げた。

「安心しろ。一人で行動などさせないさ。私も潜入するし、ルチルも行く。そして、ジェード、お前には――」

 ぱん、ぱん、と大きく拍手すると、執務室のドアが開いた。
 そして、そのドアの向こう側から、一つの影が入って来る。
 羽根付きの帽子に、真っ赤なマント。腰に差した長いサーベル。茶色い髪に黒のメッシュ。
 彼は帽子を取ると胸に当て、深々と頭を下げた。

「クンツァイトとタッグを組んで行動して貰う」
「クンツァ……イト……」

 未だ生きていたのかと、開いた口が塞がらなくなる。

「やぁ。お久しぶりだね、諸君。この王子・クンツァイトの登場であるぞ!」
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登場人物紹介

ウヴァロヴァイト。

ジェードの上司。

金を貸した相手にどんどん子供を作らせ、

その臓器を売って金を稼いでいるとのうわさ。

ルチル。

ウヴァロヴァイトの一番の部下。

クンツァイト。

界隈で有名な悪党組織のボス。

ウヴァロヴァイトより組織の人数は多い。

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