Prologue 2

文字数 418文字

 声は高い方がいい。男は幼女を好む傾向にある。声は高い方が幼さを増し、相手を安心させ、つけ入る隙を作ることができる。
 アイドルはバカではできない。例えばあなたの好きなアイドルがバカなら、その子はバカを演じている。緻密な計算が必要なのだ。

「みんなー! 今日も来てくれてありがとう! 愛してるよー!」

 今日も来てくれてありがとう! との言葉に嘘はない。客が来なければ、一銭にもならないのがアイドルなのだ。お客は大切である。
 どんなに気色の悪い豚のような男だろうが、握手会では金さえ払えば握手をする。それがプロというものだ。
 彼女にはプロとしての高い意識があった。一方で、彼女は、それだけのことをするならずっと、こうやって広いステージに立ち、金を払ってくれる客をすし詰めにして一気に儲けられる今日の仕事の方が楽だなぁとも思いながら、今日も歌を歌った。

 ステージを降り、シャワーを浴びていると、其処にマネージャーがやって来た。
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登場人物紹介

ウヴァロヴァイト。

ジェードの上司。

金を貸した相手にどんどん子供を作らせ、

その臓器を売って金を稼いでいるとのうわさ。

ルチル。

ウヴァロヴァイトの一番の部下。

クンツァイト。

界隈で有名な悪党組織のボス。

ウヴァロヴァイトより組織の人数は多い。

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