第15話 カチコミ準備
文字数 1,696文字
IT化された現代は本当に楽だ。少し指先をカタカタと世話しなく動かし、然るべきサイトで注文すれば、滞り無く自宅まで商品を届けてくれる。俺は武器専門の闇サイトで絶姉妹の使用武器を物色、勿論、二人の意向を聞きつつ一緒にネットサーフィンで吟味しながら、希望の品を懸命に探したのであった。
その結果、苦無は絶マキコの希望で軽く取り回しの
野太刀とは、刀身が約90センチ以上ある大太刀の事である。
一刀雨垂れは、女の
「で、こうやって目の前にあるにはあるんだけど、私たち
持ちにくい
んだよね。かなり集中しないと長い時間、掴んでられないんだけど。」絶マキコが苦無を掴む素振りをしながら言った。透き通ったマキコの手は苦無を掴むのに難儀していた。気を抜くとすぐに落としてしまう。今は木像ではなく絶姉妹を使役している状態だった。
俺たちはまず、
「あぁ、このままじゃダメだ。まだお前達は武器を使う事が出来ない。此処から、ちょっと一手間掛ける必要がある。」
俺はそう言いながら、苦無を駕籠に入れ右手に一刀雨垂れを持って、玄関を出た。
「何処に行くの?」
「とりあえず、近隣住民の邪魔にならないように裏山に行くよ。」
俺の頭上で世話しなく動き回る二人を他所に、俺は自宅から程近い裏山の広場に足を進める。暫く舗装された道路沿いを歩き、細い脇道に逸れて立ち入り禁止の看板を越えると、絶姉妹の亡骸を埋めた土山がある場所に着いた。
「よし。此処で良いか。」
既に俺はじんわりと身体に汗をかいていた。辺りは相変わらず、しんと静まり返っている。まだ早朝である為、ひんやりとしていた。冷たい空気が火照る肌に心地良い。
「あたしたちの身体が埋まってるところ… …。こんなところに何の用があるの?」
絶マキコが辺りを見回しながら言った。俺は荷物を降ろして、苦無と野太刀を一か所に集めて置いた。
「いや、特に場所には意味は無いんだ。只、広いところが良かったんだよ。」
これで一通りの準備が出来た。後は、力任せにやるだけだ。
「えーっと、それじゃ、デン、見ててくれよな。」
俺は携帯画面に映っているデンに話し掛けた。先ほどからデンとテレビ電話を繋いでいるのだった。
「はち。大丈夫でちよ。」
「よっしゃ。んじゃ、始めようかな。」
「… …
俺は携帯を脇の岩場に置き、ズボンに突っ込んでいた護身用のトカレフを取り出した。それから一発一発丹精込めて弾丸を込め、胸の前に両手で構えた。
「…ねぇ、だから、さっきから何やってんのってば」
絶マキコの疑問を後目に、しっかりと確実に一刀雨垂れに照準を合わせる。
其れから俺は鉄砲の引き金を強く引いた。それを契機に爆発する撃鉄が燃えるバレットを吐き出し、一刀雨垂れの濡れた刀身に深く入り込んだ。刀身にはみるみるうちに稲妻が走るように四方斜めに