第27.5話 (前)
文字数 708文字
氷の魔女の宣言と同時に力尽きたアリーがアデリーナの隣で地面に倒れる。炎の魔女の体は全身が黄色く輝き始め、そして薄くなっていた。
アデリーナの中を黒い靄が染め始める。アデリーナの意識が、志が、灯が死に始めていた。
その時、消えかけの小さな火の粉がアデリーナの心を照らし、黒い靄を燃やした。
「アデリーナ。貴女ならきっと世界を……救える」
その言葉で我に返ったアデリーナは地面に座り込みアリーを抱きかかえたがもう命は尽きていた。光となって消えていく体を最後まで見届けてからアデリーナは立ち上がる。
たくさんのものを失ったアデリーナの心の中に深く硬い意志が出来上がる。もう絶対に崩れることがないとアデリーナの瞳がそれを訴えた。
そして、氷の魔女をまっすぐと見据える。
同時に太陽が顔をのぞかせアデリーナを照らした。
再びアデリーナの胸の中で熱き炎が蘇る。体の中で昇華が起きているのをひしひしと感じる。溢れんばかりの魔力がアデリーナを燃やした。
そんな中、城壁の外で一筋の赤い光が空高く上る。その圧倒的な熱い魔力はこの世界に新たな炎の魔女の誕生を知らせた。冷たい目線を向けるシルビアの眉がひきつったのは、その少し後の事だった。
城壁の外と内側で次々に炎の火柱が空高く上っていく。
城門前の広場で肩をならばせ、なんとか意識を保っていたサラとミヤの身体も赤い炎の包まれ、光の柱を空高くへと伸ばした。
そして、103本目の赤い柱が今シルビアの前で伸びた。103番目の赤騎士が、103人目の炎の魔女への昇華が行われる。
睨みつけるシルビアにアデリーナは答えた。
「私たちは炎の魔女。この世界の明日を照らし、この繰り返された輪廻を止める」
アデリーナの中を黒い靄が染め始める。アデリーナの意識が、志が、灯が死に始めていた。
その時、消えかけの小さな火の粉がアデリーナの心を照らし、黒い靄を燃やした。
「アデリーナ。貴女ならきっと世界を……救える」
その言葉で我に返ったアデリーナは地面に座り込みアリーを抱きかかえたがもう命は尽きていた。光となって消えていく体を最後まで見届けてからアデリーナは立ち上がる。
たくさんのものを失ったアデリーナの心の中に深く硬い意志が出来上がる。もう絶対に崩れることがないとアデリーナの瞳がそれを訴えた。
そして、氷の魔女をまっすぐと見据える。
同時に太陽が顔をのぞかせアデリーナを照らした。
再びアデリーナの胸の中で熱き炎が蘇る。体の中で昇華が起きているのをひしひしと感じる。溢れんばかりの魔力がアデリーナを燃やした。
そんな中、城壁の外で一筋の赤い光が空高く上る。その圧倒的な熱い魔力はこの世界に新たな炎の魔女の誕生を知らせた。冷たい目線を向けるシルビアの眉がひきつったのは、その少し後の事だった。
城壁の外と内側で次々に炎の火柱が空高く上っていく。
城門前の広場で肩をならばせ、なんとか意識を保っていたサラとミヤの身体も赤い炎の包まれ、光の柱を空高くへと伸ばした。
そして、103本目の赤い柱が今シルビアの前で伸びた。103番目の赤騎士が、103人目の炎の魔女への昇華が行われる。
睨みつけるシルビアにアデリーナは答えた。
「私たちは炎の魔女。この世界の明日を照らし、この繰り返された輪廻を止める」