第7話

文字数 709文字

水曜日の吉祥寺は
あまり混んでないから うれしい

わたしが壊したとゆう
品番のヘッドフォンをヨドバシでみつけました

そのあと 電車にのって
S淵さんによばれた ビルのうえの
たかいところに むかわさせられるのですが

なぜか そのとちゅう
電柱ばかりが 目につくのでした

コンクリートでできた ふといの
ほそいのに たくさんのケーブルをひっかけた おかた

カラスの足場になりそうな
平たいかたちの変圧器だとか
鳥よけのトゲトゲがついた
いたそうなやつ だとか

防犯カメラがついた
近未来っぽい電柱には
いつかのわたしが
録画されているかもしれません

先日 あのカラスは
毎朝 三時起きだとゆっておりました

だから いまごろは お山とか
カラスですから 森とかに 飛んで帰って
眠っているのかしら

やっぱり
カラスのこどもは
七羽なのだ
うひょ たのしい

不老不死食って
なんじゃい
まじめな顔をして ...

こうして
いろいろ 思い出すうちに
わたしの口は いつのまにか
わらっているのでした

どうしてだろう

ヨドバシの袋をさげて
わらった顔であるく 背の低いわたしが
おしゃれなパン屋さんの窓に映っていました

そのうしろに
たくさんの電柱も映っています

世の中が
世界が こんなにも
電柱ばかりとは 知らなかった
くるしい

電柱が視界にはいると
なんか くるしい どうしよう
わたし くるしい

あのカラスには
推し電柱とか なじみ電線とか
ありますのでしょうか
くるしい

無差別にとまったりして
感電しないのかしら
くるしい

こんなふうに
かんがえごとをしていると
時間は あっというまに過ぎてしまうのです

気がつくと わたしは
たかいビルに到着しておりました

そして
S淵さんはすでに
あのS淵さんでした

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