椿

文字数 499文字

 椿(つばき)の季節が終わろうとしている。中には、3月に咲く椿もあるのだから、まだ息も長い。

 昔、茶道を二年間習っていた。あれは、音ゲーに近い。指に覚えさせたコンボを連発する事で達成感がある。スポーツともよく似通っている。

 椿は茶道の世界では、最も崇高な花だと習った。松も一年中縁起が良いとされ、(うるし)に絵柄のついた茶道具をよく見る。

 ただ、茶道は私には無理だった。ただの苦行だった。正座が耐えられなかったのだ。稽古時間は3時間とし、畳に対して直に正座である。3時間ほぼ正座だ。痺れるとかいうものではない。過去骨折を2度経験しているが、骨折並の痛さだ。大袈裟ではない。茶道は正座が慣れている人のためのものだ。立礼(りゅうれい)といって椅子に座ってするものもある。これは列記としたお点前なのだが、外国人向けのものだと思う。

 正座だけではない。キツめのスラックスで行うと、腹が圧迫されて放屁しそうになる。私だけだろうか、屁を我慢してるのは。

 せめても、やってみたかった事は放屁しながらお点前することだ。1歩1歩を歩く度、放屁する。

「ブッ」「あ、すいません」
「ブッ」「あ、すいません」
「ブッ」「あ、すいません」
「モコッ」「あ……」
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