大寒

文字数 608文字

一つ、坊主の訓にはこうある。
「寒くても寒がるな。暑くても暑がるな」
 これにより、私は洗脳された。

 仙台の最低気温はここのところ、上がってきている。今年の寒さは異常である。しかし、この寒さにも慣れてきた。
 これが大寒というものだろうか。一年で一番寒い期間なのだろうか。
 私は金に無頓着なところがある。故に、懐はいつも寒い。坊主も懐の寒さには寒がるのだろうか。

 ここ最近では寒さを感じるのは、外で喫煙してる時くらいに感じる。喫煙所は放屁しても赦される聖域だ。屁の匂いと煙草の匂いでは、後者が勝る。

 この寒さではあるが、立春以降の方が寒いのではなかろうか。日本の四季はカメレオンだ。故に人間もカメレオンとして確あるべし。

 寒くても寒がらず、暑くても暑がらず。人間関係もそうだ。寂しくても寂しがらず、自己の妄想の中に身をおける。それが冬の醍醐味ではないか。

 雪は赦せない。冬の雨も赦せない。眼鏡党の私は遺憾の意であります。お天道様。
 しかし、今年は父の祥月命日も初詣も参拝してないので、よもや何も言えまい。

 八百万(やおよろず)の神よ、仏様よ、私の嫌いな「面倒で風呂に入らなかった日」という行為を閻魔帳から消して下さい。

 新月の夜。願い事を8つまで書いて、封をしておく。
 満月の夜に開封すると、願い事が叶うという。

「風呂に入らなくてもいい世の中にして下さい」
 という願いを記した紙は、八百万の神が即シュレッダーにかけることであろう。
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