第1話 「頭がいい」ことについて
文字数 3,311文字
二人がお互いを認めることに至ったのはこの時に会話だったのではないかと思われる。認めるという表現が正しいかは分からないが二人の距離が縮まったようだった。というのも「サイトウ」が「みか」は頭がいいと言ったからだった。その理由とは何か?「頭がいい」とは一体何なのか?そんな事を語っている二人の会話である。
人によって頭がいい定義が違うのだろうね。さっきのクイズの話で言えば、持っている知識が多い人を頭がいいと思う人もいれば、発想の方こそ頭がいいと思う人もいると思うし。ボクはどちらかと言うと発想の方だから。だから、みかちゃんは頭がいいと思ったし、実際、そっち系のクイズは得意って言ってたからね。
多分そうだと思うよ。例えば、数学の問題を解く時って、問題を理解して、どう解こうが考えるんだけど、ここは発想に当たると思うんだ。その後に計算式を立てて実際に計算するんだけど、ここは知識だと思うんだよね。知識が多ければ速く解けることにもなる。みかちゃんは、どう解こうか考えるのは得意だと思うよ。
絵で示すことで文字だけでは見えてなかった点も見えてくるし、そして誤解なく伝わる可能性が高まるだよね。みかちゃんはあまり見たことないと思うけど、資料とかでも文字だけでなく、絵を使って伝えたいことなんかをうまく表現してあると凄く分かりやすいんだ。そういうのを見ると、この資料作った人は頭いいなって感じるよ。
僕らの仕事でも、何か理解したい時、理解させたい時に、例えたりするんだよね。例えば、相手が野球が好きだったら、「9回ウラ2アウトぐらいの状況なんだ」みたいに今のプロジェクトの状況を例えたり、音楽が好きなら、「これは演奏者が見る譜面みたいなものなんだ」みたいにドキュメントの大事さを例えたり。まぁそんな感じだね。なんかあまりうまく表現できてないけど。そうやって例えることで、自分での理解できるようになしし、相手にも理解してもらえることに繋がる。そういうのを見てると頭いいって感じるよ。
んー例えば、みかちゃんを対象に考えるとして。お客さんの立場、お店に人の立場で考えてみたり、みかちゃんの顔、体型、髪型、性格とかの点で考えるとか、仕事してる時、してない時、過去や未来の範囲で考えるか、色々な視点で見て考えることができるでしょ。
そう。これがボクらの仕事となるとある一つの方向からしか見てなかったり、色々ごっちゃになって考えたりしがちなんだ。だから、それがうまく整理され、切り替えをコントロールするできている人は頭がいいんだなと感心するね。