第11話 「好きな人」について
文字数 3,274文字
人を好きになることがある。好きな人がいる。それは、恋人かもしれないし、友人かもしれない。一方的に好きであることもある。人を好きになるとはどういうことなのか。好きな人とは何なのか。ちょっと恋愛下手な「みか」と「サイトウ」。二人は人を好きになること、好きな人をどう考えているのだろうか。
そうだね、まぁ嫌いな子ではなかったけど、はじめはそこまで好きって感じではなかったかな。だから、一回断ったというか、保留にしたような感じになってね。それは今思えば申し訳なかったかもだけど。でも、それ以降少し意識するようになってね、まぁ付き合ってみようかなって感じだった。
んー、まぁ告白した場合はもちろん自分が好きになったわけだから、一緒にいても凄く楽しくて、そして気が楽な感じはあったね。でも告白された場合は、相手が凄く好意もって接してくれるから凄く嬉しいけど、その好意に失礼ないようにして、少し気をつかうというか、そんな感じ。
なんか結局、人は自分しか好きになれないんじゃないかと最近思っててね。それで、どんな時、どんな場面、誰といるかとかで、自分って変わってくると思うだよね。言動とかね。それで、どの自分が好きなのかって話しなのかと思ってね。
うーん、そもそも友達が少ないからね、ちょっと難しいけど。でもやっぱりいないのかな、本音で語り合えるような人はいないし、何か少し自分を偽ってる感じもしちゃうしね。瞬間、瞬間で自然になれる事はあるから、その人がかろうじて親友って言える感じなのかな。
たまに実家に帰る時があって、その時に親とか兄に会う事があるんだけど。僕から話しすることってほぼ無いんだよね。で、何も語らなくても何も感じないというか、自然な自分で、それはそれで心地いいというか。だから、家族っていうのもそんな感じなのかも。僕の場合は。
なるほどね、ウチの場合は家族ってなっちゃうとちょっと違うな。特に親は。親と接してる時の自分はなんか好きでは無いという感じかな。気をつかうし、気を張ってるし。なんか変に力入っちゃう。まぁ、最近は会ってないんだけどね。