第24話 「読書」について

文字数 3,391文字

読書の秋。もうそろそろ、そういう時期である。何故秋に読書するのかは分からない。別にいつでもいいはずなのに。そもそも読書好きであれば1年中読んでいるし、読書嫌いであれば秋だとしても読まない。どっちつかずの人が秋に読書するということだろうか。読書嫌いな「みか」と読書好きな「サイトウ」。二人はこの『読書の秋』をどう過ごすのだろうか。
そろそろ秋だね。ちょっと涼しくなってきたし。
そうだね、やっと好きな季節。
あぁ、前に秋が好きって言ってたね。ウチもだけど。
そう、秋が好きなんだ。でも、やっぱり最近仕事が忙しくて。あまり、ゆっくりできる気がしない。
そうなんだ、お疲れ様。
ありがとう。
サイトウさんは読書の秋って感じなの?食欲では無さそうだけど。
まぁ読書はするけど、別に秋に限ったことではないしね。あと、確かに食欲の秋って感じでもないかな。特に何の秋でもないけどね、何となく好きなだけ。強いて言えば、音楽をゆっくり聴くっていうイメージはあるかな。
そっか、読書は1年中ずーっとなんだね。ウチは普段は読書しないんだけど、何か読んでみようかなって思っていたところ。
じゃあ、まさに読書の秋って感じだね。
そうなんよ。でも、ウチ本読むの好きじゃないから。
へぇーそうなんだ。じゃあ何も読まないの?
まぁ、雑誌とか漫画とかは読むけど。
まぁそれも読書じゃない?
そうなんかなぁ。読書って言ったら、小説とかエッセイとか、そんなイメージがある。
まぁそうかもしれないけどね。でも、別に雑誌とか漫画も読書だと思うけどね。結局、楽しだり、欲しい情報を取得するって意味では、小説とかビジネス書とかと変わらないし。何で楽しむか、何を通じて情報を得るかの違いじゃない。
なるほどね。でも、よく小説読めとか言われたりしない?小さい頃も親とかに言われたりしたし。
あぁ、新聞読めとかね。まぁそれは、ちょっと目的が違うのかもしれない。
目的が違う?
読解力とか想像力とかを鍛えるには、小説とか新聞とか読めってことなんじゃない。文字しかないから、その情報から何か読み取ったり、想像したりするってことだからね。
あぁそういうこと。
うん。だから、そういう目的があるなら小説とか読書すればってことなんじゃない。みかちゃんは、ライトノベルとかも読んだ事ないの?
あぁ読んだことない。ラノベってよく聞くけど。どんな感じなの。
ライトノベルの定義は僕もよく分からないけど、キャラ設定が個性的だったり、ストーリーが非現実的なものが多かったりするイメージかな。だから、漫画と小説の間ぐらいって感じなのかな。なので、ちょっと読んでみるならそういうのでもいいんじゃないのかな。電子書籍も出てるし、そういうサイトもあって無料でスマホでも読めたりするから。
へーそうなんだ。じゃあちょっと調べてみよう。
うん。
サイトウさんは、読書するのはもう電子書籍がほとんどなの?
確かに今は電子書籍で読むのが多いね。特に小説とかビジネス書とかは電子書籍だね。たまに買う雑誌とか、仕事のための技術本とかだと紙の書籍を買うかな。
電子書籍って読みやすいの?
慣れれば結構普通だよ。前は専用の端末で読んでたけど、今はiPhoneで読んじゃってる。普通にスマホでネットの記事読んでるのと変わらないし。
そうなんだね、ウチはまだ電子書籍で本読んだことない。でも、確かにスマホで何か読んでるのと変わらないのか。でも雑誌とかは紙のやつを買うんだね。
うん、何となく紙の方が便利な気がして。確かにかさばるから持ち運ぶのは嫌なんだけど、家で読む分には紙の本でもいいしね。雑誌とか技術本で家で読むことが多いからまぁいいかなって。あとこの手の本って、ページを行ったり来たりすることもあって、そうなると紙の方が便利だなって感じ。
確かに雑誌をペラペラめくる感じは紙の方がいいかもね。あと急に思い立って何かの記事を探す時も紙の方が見つけやすい気がする。
うん、そうだね。電子書籍でも何か検索できるキーがわかれば、その機能使って見つけられるのかもしれないけどね。まだ、そこまで使いこめてないかな。
なるほど。サイトウさんは前から読書好きだったの?小さい頃から?
いや、全然。国語とか苦手だったし。文章もまともに読めたことなかった気がしたね。
えぇ、そうなんだ。じゃあ何がきっかけで読めるようになったの?
はじめは勉強のために仕方なく読んでいた感じ。だから結構辛かった感じだったかな。でもある時、ミステリー小説を読んでそれが面白くて、どんどん読み進められるようになった。それがきっかけでミステリー小説を色々読んでいるうちに、読書の抵抗もなくなって、それ以外の色々な本も読めるようになった感じかな。
なるほど、そんな感じかぁ。
そう、だから、みかちゃんも何かの本がきっかけで何の抵抗なく読書できるようになるかもよ。
うん、そうだね。ちなみに今でもミステリー小説とか読むの?どういう本を読んでるの?
まぁ、ミステリー小説も読むけどね。ジャンルで言ったら本当に色々って感じ。小説もあれば、ビジネス書もあるし。心理学的なものもあれば、健康のやつもあるし。音楽とかウイスキーとかそういう趣味っぽいのもあるし。あと、英語とか。他は何だろう、エッセイとか。あとはさっき言ったような仕事関係の技術書とかかな。
本当、幅広くって感じなんだね。
うん、そうだね。でも読書する目的で考えたら大体3つぐらいだと思うよ。
3つ?どういうの?
1つ目は、楽しむためだね。これは小説、特にミステリーとか読むのがこれに当たる。それを読んでいる時、その時間が楽しくてそのために読んでいる感じ。本当に想像しながら小説の世界に入り込める感じがして、それが好きかな。
まぁ、それは確かにありそうだね。じゃあ、2つ目は?
2つ目は新しい情報に触れる、新しい知識を得るためかな。これはいわゆる勉強って感じになるかな。新しいことだから、それを理解するのに結構時間かかったり、それをきっかけに色々考えたりするから、読書スピード的には一番遅くなる目的かな。正直全然進まないことだってあるし、結局途中まで読んでその後読んでない本もあるしね。読破してない本で言ったら、この2つ目の目的が多いかな。
あぁ、ウチもそのパターンかも。心理学系の本で最後まで読めてない本がある。そっか、新しい情報だったりするかな中々読めないのか。
うん、そうだと思うよ。それで、3つ目は頭の整理のためって目的かな。
整理のため?
そう。既に知っているようなことでも、本を読むことで頭が整理されることがあるんだ。まぁ、ちゃんとうまく纏った本でないとできないけどね。例えばだけど、ギター奏法について、それぞれの事は既に知っている事だけど、頭の中で結構バラバラになっていることがあったとする。その時に、分かりやすいギター奏法の解説本を読んだりすると、その本の構成に沿って頭の中の情報が整理することができたりするんだ。だから、そういう目的で読んだりする。これは、趣味とかもそうだし、ビジネス書とか技術本とかでもやったりするかな。小説はさすがに目的が違うからやらないけどね。
へぇーそういう目的もあるんだ。3つ目のって、もう一回読むっていうのとは違うの?
あぁ、そういうものあると思うよ。あと、この目的の場合の読書は結構スピード速いと思うよ。整理目的だからスラスラ読めるしね。
なるほどね。でも、確かに読書には色々目的があるんだね。
うん、そうだと思う。でも、1つ目の目的は読書じゃなくて、アニメとか映画とかそういう映像でもいいし、2つ目の目的は講座を受けるとか、セミナーに行くとかでもいいし、3つ目の目的は自分でネット記事にまとめてもいいし、代替手段は色々あると思うんだ。読書を進める人がいるけど、読書でしか達成できない目的があるならいいけど、代替手段があるなら別に読書に拘らずそれでもいいと思うけどね。
まぁ、そうだよね。人それぞれ合う合わないがあるしね。
うん。最近ではオーディオブックもあったりするから、そういうのがあってる人もいるだろうしね。
オーディオブックって、声で読み上げるようなやつ?
そう、そんな感じのやつ。
ウチはそれがあってそう。サイトウさんは聞いたことあるの?
いや、まだ無いよ。でももし、みかちゃんの声で読み上げられたら興奮して内容が入って来なそう。
えっ?
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登場人物紹介

「サイトウ」と名乗っている。本名ではない。自分のことをボクと呼ぶ。AB型の男。ロックが好き。

「みか」と名乗っている。本名ではない。自分のことをウチと呼ぶ。O型の女性。ミルクティーが好き。

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