第19話 「贈り物」について
文字数 3,080文字
お中元、お歳暮、引き出物、母の日、父の日、プレゼント。いわゆる贈り物。なぜ我々はモノを渡すのだろう。それにはどんな意味があるのだろう。また、貰った側はどのような気持ちになるのだろう。貰ったモノとその後どのように生活を共にするのだろう。どちらかというと貰うことが多い「みか」。どちらかというと贈ることが多い「サイトウ」。二人にとって贈り物とは何なのだろうか。
あぁそうだね。今考えてみて微妙なのは、元彼からプレゼントされたブランドもののバッグかな。多分もう使わないと思うけど、それなりに高かったものだから捨てるとか買い取ってもらうとかも何か悪い気もして。正直思い出としては残さなくてもいいから捨てても良さそうなんだけどね。
そうだね。何でだろうな。ちょっとした差し入れとかお土産とかだと、話題作りって感じなのかな。口下手だから、何かそういうのがあると話題作りにもなるでしょ。プレゼントとかになると嬉しそうな顔がみたいとか、良い印象を持ってもらいたいとかそういう感じなのかもしれないね。でも、どっちにしても自己満足って感じかな。
うーん。あっ、この前友達の家に泊まりで行ったんだけどね。その時にちょっとしたお菓子とか持っていったかな。手ぶらなのもどうなのかなって思ってね。お世話になりますって感じで持っていったよ。最近だとそんな感じかな。
あぁそれは勿論気を引きたいっていうのはあると思うよ。でも、どうなんだろう。人によりそうだけどね。恋愛的な感情から気を引きたいって人もいるだろうし。それこそさっきの見返り、特に肉体関係を求めって人もいるだろうし。単に喜ぶ顔がみたいとかって場合もありそうだし。尽くしてる自分に酔ってるとかね。まぁそれも結局、自己満足というか、自分のためになっちゃうよね。実際、プレゼントを何にしようかとか考えるも楽しかったりするからね。
うん、あるんじゃない。例えば、アイドルにプレゼントしたり、アイドルのためにいっぱいお金使ったりっていう話も聞くでしょ。そういうのに近い感覚なんじゃないかな。実際そのアイドルとどうにかなる可能性は低いっていうのわかりながらやってるわけだからね。
ちょっと前まではやっていたかな。ちょっとした小物とか、あとはお酒とかだったけど。でも、本当にそういうの親は必要なのかなって考えて、最近は贈り物するのはやめたかな。それこそ家に帰って普段できない作業を手伝ったり、割と遠距離の車の運転をやったり、そういう方が喜ぶのかなと思ってそうしてる。