第15話 バカじゃね❓️コイツ❗️

文字数 939文字

「ユウキちゃん、お風呂沸いたからお先にどうぞ」

ってお母さんが言って下さったんで、

「はい、ありがとうございます!」

って立ち上がって、早速先に入らせてもらうことにした。そしたら茜さんが、

「じゃあ、ユウキちゃん、一緒に入ろ!」

って、着替えまで持ってついてきた。
 ワーイ!って思って、ルンルンで一緒に腕組んで歌いながらお風呂に行こうとした。そしたらお母さんが慌てて、パタパタ足音響かせながら追っかけてきて、

「ちょっと待って…茜、あんたアホか!何考えてんねん!」

って阻止された。オマケに、

「あれ?茜さん、一緒に入らないんですかぁ?」

なんて、マヌケ面して言っちゃったもんだから、お母さんや憲斗にまでドン引きされた。
 だってさ、茜さんと一緒にお風呂なんて、めっちゃ楽しそうなんだもん…

 でもね、脱衣場で一人、服を脱いで自分の裸を目にした時、はっと気づいたんだ。あっ、そうだった!僕と茜さんとは違うんだ…って
 自分の性に完全に無頓着になるほど、茜さんと打ち解けていた。すっかり茜さんと同じだと勘違いしていた。けど本当は、むしろ…、そう…
 “むしろ” 憲斗と同じなんだ

 そうだよ、僕…
 僕は…

 じゃあ、憲斗と二人なら賛成してくれたかな?
 でも、それだって無理だよね…
 だったら、僕、誰とならオッケーなんだろ…

 ふうっ…

 ああ、駄目だ!駄目だ!
 せっかくこんな楽しい時間を過ごしてるのに、こんなに素敵な人たちと一緒なのに、またこの話に戻ってる!
 悪い癖…
 誰のせいでも無いよ…
 今度東京に戻った時、二人っきりで入ればそれでいいじゃん!
 よし、その時は憲斗と二人、もうこれ以上ムリってくらい、好きなだけ…

 たださぁ…
 この体…
 このアンビバレントな体…

 からだと心がアンビバレント、って話はよく耳にするけど
 僕の場合、からだそのものがアンビバレントなんだ…
 可愛い、可愛い、ってサンザおだてられても… 
 可愛い下着身に着けても、こうやって脱いじゃえば、 所詮…

 鏡に写った自分の裸体をまじまじと見つめながら、アホなユウキは性懲りもなく(よりによって憲斗のお家で…)、ブルーな気分Maxになっていた
 泣きそうな顔してやがるし…
 バカじゃね?コイツ…

 なんてウジウジしてたら、いきなり!それもいきなり…

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