第7話 夜泣き
文字数 1,341文字
自動販売機でアイス買って部屋に戻る途中、憲斗に出くわした。
ヤッホー!って手振ったら、
「おう、ユウキ、みんなとお風呂入ったんやてなあ…」
って、ちょっと周囲を気遣うように、小声で囁きかけてきた。
やっぱ、憲斗、もう知ってたんだね。
そだよ、って答えたら、
「よかったな!」
って嬉しそうに言って、いつもの笑みを浮かべてくれた。
それだけ
うん、ただそれだけ
でもねえ…
おいっ、ジン!見習えっつうの!
分かるぅ??モテる男とお前みたいな男の違いが!!
そんなことよりさ…
…憲斗好き
もっと遅くまでお酒飲んで楽しく過ごしたかったけど、明日も早いし一日ハードだから、ほどほどに切り上げて消灯した。ちょっと大っきめのファミリータイプの部屋で、美優たち2年生や1年女子たちと一緒。広いし大勢で楽しいから僕らにはうってつけ。
みんな、おやすみぃ!って電気消してベッドに入った。
ああ、一日楽しかったぁ…
初日からこんなに楽しいなんて想像してなかったなぁ
お風呂だって、最高だったし…
なんて思いに耽りながら、薄暗がりの中、隣の美優の背中をボンヤリ見つめていた。それから、そっとその背中に向かって、自分にだけ聞こえる小さな声で、
美優、大好き…
って呟いた。
そしたらね…、突然、何かが込み上げてきたの。
ホント、胸の奥から込み上げてきたんだ。
ヤバッ!って思う間もなく、涙がツーッと目尻から滴り落ちた。バレないように、咄嗟に枕に突っ伏したんだけど、それでも抑えきれなかった。矢継ぎ早に涙があふれ出てくる。
マジ、ヤバッ…
自分でも訳分かんないまんま、感情だけが変に高揚してくる。声は出さないように必死に我慢してたんだけど、もうどうにも抑えきれなくなった。
それで…
一気に声出して…
みんな、ビックリするよね…
どうしたの?って起き上がってきて、再び明かりが灯された。
ユウキ先輩、どうしたんですか?って一年生たちが心配そうな顔して寄ってきたんで、その顔見てたらますます止まんなくなった。ビービー泣きながら、やっとの思いで、
みんな、ありがと…
って言った。それだけ。でも、そういうことなんです…
美優がベッドに入ってきて、ユウキちゃん、よしよし…って言いながら肩抱いて背中さすってくれた。一年生たちまで入ってきて、ひなちゃんが、ユウキ先輩、よしよし…って一緒に背中さすってくれた。
でも、あれっ?それ言う相手、ひながさっき言ってたのと、ビミョーにちがくない…?
って同級生の佳乃が言ったんで、みんな笑った。
僕は美優たちに抱かれたまましばらく泣いていた。普段あまり接点の無かった佳乃も肩をさすってくれた。女性らしい優しい手つきだった。
みんなの温もり感じてホッとしたのと泣き疲れたのとで直ぐに強烈な睡魔が襲ってきた。
みんなのからだ温かい。少し暑いけど安心する。大好き…
朝一番に目覚めると、ベッドの中で一人、布団に包まれて寝ていた。みんなは銘々のベッドに戻って寝ている。
クーラーよく効いてるね…
少し涼しいかも。
それんしても、ひなちゃん、寝顔可愛いな…
布団から身体が随分はみ出てるから、布団をかけ直してあげた。
オレンジ色のカーテンの隙間から明るい日の光が射し込む、合宿2日目の朝でした。
ヤッホー!って手振ったら、
「おう、ユウキ、みんなとお風呂入ったんやてなあ…」
って、ちょっと周囲を気遣うように、小声で囁きかけてきた。
やっぱ、憲斗、もう知ってたんだね。
そだよ、って答えたら、
「よかったな!」
って嬉しそうに言って、いつもの笑みを浮かべてくれた。
それだけ
うん、ただそれだけ
でもねえ…
おいっ、ジン!見習えっつうの!
分かるぅ??モテる男とお前みたいな男の違いが!!
そんなことよりさ…
…憲斗好き
もっと遅くまでお酒飲んで楽しく過ごしたかったけど、明日も早いし一日ハードだから、ほどほどに切り上げて消灯した。ちょっと大っきめのファミリータイプの部屋で、美優たち2年生や1年女子たちと一緒。広いし大勢で楽しいから僕らにはうってつけ。
みんな、おやすみぃ!って電気消してベッドに入った。
ああ、一日楽しかったぁ…
初日からこんなに楽しいなんて想像してなかったなぁ
お風呂だって、最高だったし…
なんて思いに耽りながら、薄暗がりの中、隣の美優の背中をボンヤリ見つめていた。それから、そっとその背中に向かって、自分にだけ聞こえる小さな声で、
美優、大好き…
って呟いた。
そしたらね…、突然、何かが込み上げてきたの。
ホント、胸の奥から込み上げてきたんだ。
ヤバッ!って思う間もなく、涙がツーッと目尻から滴り落ちた。バレないように、咄嗟に枕に突っ伏したんだけど、それでも抑えきれなかった。矢継ぎ早に涙があふれ出てくる。
マジ、ヤバッ…
自分でも訳分かんないまんま、感情だけが変に高揚してくる。声は出さないように必死に我慢してたんだけど、もうどうにも抑えきれなくなった。
それで…
一気に声出して…
みんな、ビックリするよね…
どうしたの?って起き上がってきて、再び明かりが灯された。
ユウキ先輩、どうしたんですか?って一年生たちが心配そうな顔して寄ってきたんで、その顔見てたらますます止まんなくなった。ビービー泣きながら、やっとの思いで、
みんな、ありがと…
って言った。それだけ。でも、そういうことなんです…
美優がベッドに入ってきて、ユウキちゃん、よしよし…って言いながら肩抱いて背中さすってくれた。一年生たちまで入ってきて、ひなちゃんが、ユウキ先輩、よしよし…って一緒に背中さすってくれた。
でも、あれっ?それ言う相手、ひながさっき言ってたのと、ビミョーにちがくない…?
って同級生の佳乃が言ったんで、みんな笑った。
僕は美優たちに抱かれたまましばらく泣いていた。普段あまり接点の無かった佳乃も肩をさすってくれた。女性らしい優しい手つきだった。
みんなの温もり感じてホッとしたのと泣き疲れたのとで直ぐに強烈な睡魔が襲ってきた。
みんなのからだ温かい。少し暑いけど安心する。大好き…
朝一番に目覚めると、ベッドの中で一人、布団に包まれて寝ていた。みんなは銘々のベッドに戻って寝ている。
クーラーよく効いてるね…
少し涼しいかも。
それんしても、ひなちゃん、寝顔可愛いな…
布団から身体が随分はみ出てるから、布団をかけ直してあげた。
オレンジ色のカーテンの隙間から明るい日の光が射し込む、合宿2日目の朝でした。
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