第18話 ユウキちゃん、早よ入っといで❗️

文字数 996文字

 で、結局茜さんの部屋で寝ることになった。

 お布団に入ると、早速茜さんから…

「ユウキちゃん、そんなとこおらんと、こっち、こっち!早よ入っといで!」

ってマットを叩きながらお誘いを受けた。
 で、ありがたくその申し出、受けさせて頂きました。ちょっとドキドキしながらも…。でも、茜さん、楽しいし優しいからもっと近くでお話したかったし。それに全然変な空気じゃなかったから。

 失礼しまあす!
 うん、茜さんのお布団、いい匂いだね!

 二人でお布団に入っても、クーラー効いてていい感じだった。しばらく二人して他愛もない話で笑い転げてた。そしたら突然、ノックの音が、“コンコン…“ と響いて、

「開けるわね…」

って声とともに扉が音をたてて開いた。続いて隙間からお母さんがひょっこり顔を覗かせた…、かと思うと、

「もう…、茜…」

って、呆れ返った表情でベッドの中の私たちを見つめた。

「あっ、あの…、誤解の無いように言うとくけどな、ウチがユウキちゃんおびき寄せてん。ユウキちゃん、全然悪ないから」

「誰も誤解なんかしとらんわ!あんたに決まっとるやろ!」

「うッわッ、キッツ!それが愛娘に向かって言う言葉かいな…。でも、邪魔せんといてや!せっかく頑張って罠にかけてんから。今からユウキちゃん、ウチの毒牙で、たっぷりと…」

「やかましわ!
 ねえ、憲斗、ちょっと見てよぉ…」

ウンザリしたようなお母さんの声に続いて憲斗が姿を見せた。すると茜さん、憲斗に向かって、イェーイ!って手を振るもんだから、僕も一緒になってイエーイ!って手を振った。憲斗、呆れた顔してこっち見てる…

「もう…、ユウキちゃん、ゴメンねぇ…。ちょっとだけこのバカの相手してあげて…」

「あれっ?茜さん…、お母さんのお許し出ちゃいましたよ…」

「アザっす!ウッシャァ!!」

 そう言って茜さん、ベッドの上で足をバタバタさせた。
 まあ、でも、こんなに喜んでもらえるのなら悪い気しないね。じゃあ、どうぞお好きに…
 いやいや…

「ユウキちゃん、コイツが悪さしたら遠慮なく呼んでね。箒で叩き出すから…」

「ウチは野良猫か!」

「ゴキブリやろ…」って…、ちょっと憲斗ぉ…

「うるさいわね、焼いちゃって、もう…」

「茜!あんたが救いの声あげても無視するからね!」

「あら、まったく何を言っているのかしらぁ?誰が声を上げたりするものですか…。これからユウキちゃん…、ウッヒッヒッヒッ…」

 ホント、賑やか…
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