第10話 どうしてくれんの…
文字数 1,334文字
3日目
昨日よりもまたギャラリーは増えた。
特に女子高生が増えたとこ見ると、原因は間違いなく憲斗だろう。憲斗の写真撮ってる女の子たちたくさんいるし…。激しいアクションで披露する力強く男っぽい演技と、休憩の時に見せる爽やかな雰囲気の落差に、きっとギャップ萌えするんだろね。
もちろん美優の人気も相変わらずのもの。
今日も2人のド派手なアクション満載で、大いにギャラリーたちを沸かせた。ただ、後半からは激しいアクションに加え、徐々に僕と憲斗のツーショット場面が増えてきた。
衝突ばかりしていた2人が、次第に惹かれあっていく。特にプライド高いヒメが、憲斗への思いを募らせ、心開いていく展開に。
これは今日の戦闘シーンの一場面…
美優や憲斗の想定外の戦闘能力の高さに手を焼いた敵は、ヒメのいる王国軍本隊に、最後の総攻撃を仕掛けてくる。ヒメは王国の起源や存亡に関わるナンとか(何だっけ?また忘れた…)っていうのを生まれつき持っていて、ヒメがいなくなると王国は大混乱に陥る。それを狙って、敵はヒメを集中的に攻撃してくる。
このシーンは特に琴音先輩の映像製作の腕の見せどころ。琴音先輩、とっても気合い入ってるみたいで、ヒメもその仕上がりを楽しみにしている。
そんな中、美優は、憲斗に向かって、
「お願い、あなただけが頼りなの…。ヒメを連れてここから逃げて。頼んだわね…」
そう言い残すと、本隊の中からジンを隊長とする一個中隊を引き抜いて、自ら先頭切って敵陣の中へ斬り込んで行く。そう…、ジンたちと共に囮になるんだ。(ジンも、まともに演技すりゃ、結構イケてんだよね…)
ヒメ:「待ちなさい!行かないで!」
憲斗:「危ない!」
(憲斗は僕の腕を握って引き留める。)
ヒメ:「離しなさい!見捨てろって言うの!」
憲斗:「いいか、よく聞け!あいつはお前を守るために命を懸けたんだ!お前が今出ていったら、あいつの行動が無駄になる!あいつの為にも今は逃げるんだ。頼む…、俺の為にも逃げてくれ。俺はあいつからお前の命を託されたんだ。俺にはお前を守る義務がある!」
(って、真剣な表情で真正面から見つめてくんの。両肩掴んで、息がかかるくらいの距離で…)
憲斗:「俺を信じろ。必ずお前を助ける!命に賭けても…」
(うん、信じる!信じる!…)
逃げる途中、敵の小隊に見つかり奇襲を受けるも、憲斗がシビレるような剣さばきでそれをかわす。最後の一人が不意に僕を切りつけようとしたとき、憲斗は間一髪、敵を斬り倒し、その拍子にヒメは憲斗に守られるようにして倒れ込む。
そう、2人抱き合ったまま倒れ込むの。いいでしょ…
ここでシオンちゃんの声で、「カアット!」
憲斗が耳元で、「すまん、痛なかったか?」って言いながら、抱き起こしてくれた。突然の関西弁に、またもやドキッ。一応ここ、太陽系の遥か彼方ってシチュエーションなんだけどね…
ううん、大丈夫…、ってうつむいたまま首を振る。
そんなことよりさ…、さっき転がったとき、2人とも太股むき出しで、素足触れ合ってたよね。あん時ね…憲斗の足の毛が素足に擦れてね…太股チクチクしてたの…
どうしてくれんの…
そんなヒメを余所に、シオン先輩は次のシーンの台本の修正部分について話し始めた。
昨日よりもまたギャラリーは増えた。
特に女子高生が増えたとこ見ると、原因は間違いなく憲斗だろう。憲斗の写真撮ってる女の子たちたくさんいるし…。激しいアクションで披露する力強く男っぽい演技と、休憩の時に見せる爽やかな雰囲気の落差に、きっとギャップ萌えするんだろね。
もちろん美優の人気も相変わらずのもの。
今日も2人のド派手なアクション満載で、大いにギャラリーたちを沸かせた。ただ、後半からは激しいアクションに加え、徐々に僕と憲斗のツーショット場面が増えてきた。
衝突ばかりしていた2人が、次第に惹かれあっていく。特にプライド高いヒメが、憲斗への思いを募らせ、心開いていく展開に。
これは今日の戦闘シーンの一場面…
美優や憲斗の想定外の戦闘能力の高さに手を焼いた敵は、ヒメのいる王国軍本隊に、最後の総攻撃を仕掛けてくる。ヒメは王国の起源や存亡に関わるナンとか(何だっけ?また忘れた…)っていうのを生まれつき持っていて、ヒメがいなくなると王国は大混乱に陥る。それを狙って、敵はヒメを集中的に攻撃してくる。
このシーンは特に琴音先輩の映像製作の腕の見せどころ。琴音先輩、とっても気合い入ってるみたいで、ヒメもその仕上がりを楽しみにしている。
そんな中、美優は、憲斗に向かって、
「お願い、あなただけが頼りなの…。ヒメを連れてここから逃げて。頼んだわね…」
そう言い残すと、本隊の中からジンを隊長とする一個中隊を引き抜いて、自ら先頭切って敵陣の中へ斬り込んで行く。そう…、ジンたちと共に囮になるんだ。(ジンも、まともに演技すりゃ、結構イケてんだよね…)
ヒメ:「待ちなさい!行かないで!」
憲斗:「危ない!」
(憲斗は僕の腕を握って引き留める。)
ヒメ:「離しなさい!見捨てろって言うの!」
憲斗:「いいか、よく聞け!あいつはお前を守るために命を懸けたんだ!お前が今出ていったら、あいつの行動が無駄になる!あいつの為にも今は逃げるんだ。頼む…、俺の為にも逃げてくれ。俺はあいつからお前の命を託されたんだ。俺にはお前を守る義務がある!」
(って、真剣な表情で真正面から見つめてくんの。両肩掴んで、息がかかるくらいの距離で…)
憲斗:「俺を信じろ。必ずお前を助ける!命に賭けても…」
(うん、信じる!信じる!…)
逃げる途中、敵の小隊に見つかり奇襲を受けるも、憲斗がシビレるような剣さばきでそれをかわす。最後の一人が不意に僕を切りつけようとしたとき、憲斗は間一髪、敵を斬り倒し、その拍子にヒメは憲斗に守られるようにして倒れ込む。
そう、2人抱き合ったまま倒れ込むの。いいでしょ…
ここでシオンちゃんの声で、「カアット!」
憲斗が耳元で、「すまん、痛なかったか?」って言いながら、抱き起こしてくれた。突然の関西弁に、またもやドキッ。一応ここ、太陽系の遥か彼方ってシチュエーションなんだけどね…
ううん、大丈夫…、ってうつむいたまま首を振る。
そんなことよりさ…、さっき転がったとき、2人とも太股むき出しで、素足触れ合ってたよね。あん時ね…憲斗の足の毛が素足に擦れてね…太股チクチクしてたの…
どうしてくれんの…
そんなヒメを余所に、シオン先輩は次のシーンの台本の修正部分について話し始めた。
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