第79話 帰還とロゴ
文字数 3,459文字
俺達はアレン領に戻って来た。
普通なら12~14日の旅を、往復で8日間で行って帰って来た。
しかもまだ陽は高かった。
天候に恵まれたのもそうだけど、道が整備されたのが一番だった。
これからは王都方面の行き来が楽になるだろう。
Dランクパーティー『赤い翼』のリーダー、アドレーさんは何の役にも立てなかったと恐縮していた。
次回もあるからと、アバンス商会のアイザックさんに言われ喜んでいた。
依頼達成のサインをアイザックさんにもらい、冒険者ギルドに寄り報告をする。
報酬をもらい『赤い翼』のメンバーとは手を振り別れる。
そして俺とアリッサさん、オルガさんはアイザックさん達と商業ギルドに向かう。
魔道具を売ったお金をもらうためだ。
この世界のお金は硬貨で、枚数が多くなると持ち運びが不便になる。
そのため商業ギルドで証文をもらい、預ってもらうことができる。
そしてどこの領の商業ギルドでも、下すことができるようになっている。
商業ギルドに入ると受付には、ノエルさんがいたので軽く挨拶をした。
アイザックさんが商談用の部屋を借り、俺達は先に入り待つことにした。
するとアイザックさんとお供の2人が、沢山の袋を抱え部屋に入って来た。
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
いったい何袋あるんだ?
前回、商業ギルドに卸した時にもらったお金は1億近かったけど今回はいくらだ?
確か卸値の倍がアバンス商会に今回売った金額になる。
そして王都で販売することに対して、少し色を付けてもらう事になってたはずだ。 「お待たせいたしました。2億30,400,000円になります」
「「「 えぇ~~~!! 」」」
俺とアリッサさん、オルガさんは、思わず声をあげてしまった。
「エリアス様、今回と同じように定期的に、魔道具を売って頂けないでしょうか?」
「えぇ、願っても無い事です」
「そうですか、ありがとうございます。それから今後のことを考え工房、又は商会を立ち上げた方が良いと思います」
「どうしてでしょうか?」
「知名度を上げるのと同時に、偽物防止の為です」
「偽物防止?」
「はい、有名になれば偽物も出回るようになります。それを防止するために手間にはなりますが、店のロゴを決め商品に刻印を入れるのです」
「分かりました、名前はエリアス商会にします。そしてロゴも考えてあります」
「ではこの機会に登録されるといいでしょう」
「それなら、登録してから帰ります」
「早いに越したことはありませんよ」
「はい。魔道具や冷蔵庫、家具の納品は月末に出来た分だけで良いでいょうか?」
「勿論です、無理は言いませんから。それからお時間がある時で構いませんので、店にお寄り頂けないでしょうか?」
「では明日、伺います」
「それではお待ちしております。今回はありがとうございました」
「こちらこそ」
そう言いながら俺達は商談部屋を出た。
そして俺達はノエルさんのところにやって来た。
「卸 の商会を立ち上げたいのですが」
「お帰りなさいエリアス様。商会登録ですね、ではこの書類に記入をお願いします」
俺は書類に店舗名をエリアス商会と記入し、考えておいたロゴも書き提出した。
「はい、これで登録は終わりました。それからギルドマスターのアレック呼んでいます。お時間があればお寄り頂けないでしょうか?」
「分かりました、伺います」
そう答えるとギルマスの部屋に案内された。
「や、すまないね、王都から戻ったばかりで。疲れて居るだろう」
「いえ、大丈夫です」
「それにしても随分、早いお帰りだね」
「はい、天候に恵まれまして」
「そ、そうか。では本題に入るがこの前卸してもらった魔道具だけど、定期的に卸してもらえないか?」
「はい、喜んで。魔道具の納品は月末に出来た分だけで良いでいょうか?」
「勿論だよ、それで構わないさ」
俺はアレックさんに、アイザックさんと同じことを言った。
その気になれば100でも200でもできるけど、それはあまりにも不自然だから。
それにお金も貯まったし、あまり欲をかいてもいけないから。
月10万あれば暮らせる世界で2億あれば、3人で十分暮らしていける。
それに『味元 』を月1,000個、商業ギルドに卸せば180万。
アバンス商会に家具を売って月100万になる。
この2ヵ所で十分に暮らせるからだ。
そして売る場所を分散することで、一度にたくさん売っても怪しまれない。
1ヵ所でまとめて売ると、どうしてそんなに作れるのかと思われるからだ。
調味料のように消耗品を売るのもいいな。
それに俺が作るのではなくて、誰かを雇えばたくさん作れるからね。
話も終わり部屋をでて、商業ギルドを後にし屋敷に戻った。
そして2階の娯楽施設に向い、遊べるものを増やした。
ボーリングやゴブリン叩きゲーム、ベアベアパニックだけではね…。
そして夕方になり久しぶりに『なごみ亭』に行き食事をしてきた。
ビルさん家族は元気で、お店も忙しそうだった。
そして夜になった。
この世界は夜が長く、TVやパソコンもないから今まですることがなかった。
だが今は違う。
そう考え俺は新しいゲームを作った。
その名も『ゴブリンクエスト』だ。
大きさはゲームセンターにあるアーケードゲーム機くらい。
画面を見ながら、ハンドルとボタンで移動や攻撃の操作をする。
この世界に銃はない。
だからオルガさん達には、イメージしづらいと思い剣からスタートする事にした。
あらすじはこうだ。
ある日ゴブリンのスタンピードが起き、街に攻めてくる。
スタンピードとは魔物の集団暴走を指す。
スタンピードが起こる多くの場合、上位種であるロードやキングが出現する。
上位種が現れるとゴブリンは興奮度が増し、普通より何倍も脅威度が増す。
ゴブリンは繁殖力が非常に強く、メスが居ないため異種間で強姦し繁殖をする。
その大掛かりなメスを探す行為だとも言われている。
上位種を倒すと興奮が冷め、ねぐらに帰る。
プレイヤーはまず剣を持ち、冒険者の討伐隊に入りゴブリンを倒しながら進む。
倒していくと武器や防具、アイテムを拾う事もある。
そして装備や武器を強化し、必殺技を駆使しながら進んで行く。
最後にはこのスタンピードの原因である、ロードやキング倒すゲームだ。
卓上のゲーム機のようにセーブ機能もある。
「おぉ、これは楽しいなエリアス!!」
オルガさんが夢中になって遊んでいる。
「このやろう!くそ!!」
ドカ、ボカ、ドカ、ボカ、
ドカ、ボカ、ドカ、ドカ、
「オルガさん、壊れますから。叩かないでくださいよ」
「しかし、このゴブリンの野郎が…!!」
アリッサさんが見ているだけで、つまらなそうな顔をしている。
仕方がない。
俺はストレージの『創生魔法』で、もう1つゲーム機を創った。
このゲームのあらすじは、こうだ。
妖精が悪魔に封印され、世界には魔物がはびこるようになった。
その世界を救うため、封印された8人の妖精を解放するための旅をするゲームだ。
その名も『フェアリーファンタジー』
初期装備の武器は弓と風魔法。
最後には8人の妖精を従え、悪魔を倒すのが目標だ。
そして確率は低いがボーナスイベントもある。
8人の妖精を揃えるとドラゴンを呼ぶことができる。
するとなんでも好きな望みを、1つだけ叶えてくれる。
しかし望みを叶えると、8人の妖精達は世界に散りまた封印されてしまう。
一からやり直しにはなるが、それも楽しみの一つだ。
アリッサさんも夢中になって遊んでいる。
「この悪魔め!」
アリッサさん、そんなところでリアルの風魔法はだめですよ~!
それを見ていた俺は、途中で眠くなり部屋に戻った。
今度から2人共ゲームをする時は、時間制限をしないと駄目だな。
商会も立ち上げ、やっとこれから俺達の生活が始まる。
円の下部にエリアス商会の文字と、左右を向く女性の横顔を描いた。
正面右の女性は耳が頭部にある。
下側でクロスした麦の穂が、左右から上部に大きく伸びている。
人族と異種族と及ばれている人達が、手を携えてやって行けるように考えたロゴだった。
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読んで頂いてありがとうございます。
王都に行ったけど、特に何もなかった…。
物語はまったり、のんびりと進みます。
普通なら12~14日の旅を、往復で8日間で行って帰って来た。
しかもまだ陽は高かった。
天候に恵まれたのもそうだけど、道が整備されたのが一番だった。
これからは王都方面の行き来が楽になるだろう。
Dランクパーティー『赤い翼』のリーダー、アドレーさんは何の役にも立てなかったと恐縮していた。
次回もあるからと、アバンス商会のアイザックさんに言われ喜んでいた。
依頼達成のサインをアイザックさんにもらい、冒険者ギルドに寄り報告をする。
報酬をもらい『赤い翼』のメンバーとは手を振り別れる。
そして俺とアリッサさん、オルガさんはアイザックさん達と商業ギルドに向かう。
魔道具を売ったお金をもらうためだ。
この世界のお金は硬貨で、枚数が多くなると持ち運びが不便になる。
そのため商業ギルドで証文をもらい、預ってもらうことができる。
そしてどこの領の商業ギルドでも、下すことができるようになっている。
商業ギルドに入ると受付には、ノエルさんがいたので軽く挨拶をした。
アイザックさんが商談用の部屋を借り、俺達は先に入り待つことにした。
するとアイザックさんとお供の2人が、沢山の袋を抱え部屋に入って来た。
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、ドサ、
いったい何袋あるんだ?
前回、商業ギルドに卸した時にもらったお金は1億近かったけど今回はいくらだ?
確か卸値の倍がアバンス商会に今回売った金額になる。
そして王都で販売することに対して、少し色を付けてもらう事になってたはずだ。 「お待たせいたしました。2億30,400,000円になります」
「「「 えぇ~~~!! 」」」
俺とアリッサさん、オルガさんは、思わず声をあげてしまった。
「エリアス様、今回と同じように定期的に、魔道具を売って頂けないでしょうか?」
「えぇ、願っても無い事です」
「そうですか、ありがとうございます。それから今後のことを考え工房、又は商会を立ち上げた方が良いと思います」
「どうしてでしょうか?」
「知名度を上げるのと同時に、偽物防止の為です」
「偽物防止?」
「はい、有名になれば偽物も出回るようになります。それを防止するために手間にはなりますが、店のロゴを決め商品に刻印を入れるのです」
「分かりました、名前はエリアス商会にします。そしてロゴも考えてあります」
「ではこの機会に登録されるといいでしょう」
「それなら、登録してから帰ります」
「早いに越したことはありませんよ」
「はい。魔道具や冷蔵庫、家具の納品は月末に出来た分だけで良いでいょうか?」
「勿論です、無理は言いませんから。それからお時間がある時で構いませんので、店にお寄り頂けないでしょうか?」
「では明日、伺います」
「それではお待ちしております。今回はありがとうございました」
「こちらこそ」
そう言いながら俺達は商談部屋を出た。
そして俺達はノエルさんのところにやって来た。
「
「お帰りなさいエリアス様。商会登録ですね、ではこの書類に記入をお願いします」
俺は書類に店舗名をエリアス商会と記入し、考えておいたロゴも書き提出した。
「はい、これで登録は終わりました。それからギルドマスターのアレック呼んでいます。お時間があればお寄り頂けないでしょうか?」
「分かりました、伺います」
そう答えるとギルマスの部屋に案内された。
「や、すまないね、王都から戻ったばかりで。疲れて居るだろう」
「いえ、大丈夫です」
「それにしても随分、早いお帰りだね」
「はい、天候に恵まれまして」
「そ、そうか。では本題に入るがこの前卸してもらった魔道具だけど、定期的に卸してもらえないか?」
「はい、喜んで。魔道具の納品は月末に出来た分だけで良いでいょうか?」
「勿論だよ、それで構わないさ」
俺はアレックさんに、アイザックさんと同じことを言った。
その気になれば100でも200でもできるけど、それはあまりにも不自然だから。
それにお金も貯まったし、あまり欲をかいてもいけないから。
月10万あれば暮らせる世界で2億あれば、3人で十分暮らしていける。
それに『
アバンス商会に家具を売って月100万になる。
この2ヵ所で十分に暮らせるからだ。
そして売る場所を分散することで、一度にたくさん売っても怪しまれない。
1ヵ所でまとめて売ると、どうしてそんなに作れるのかと思われるからだ。
調味料のように消耗品を売るのもいいな。
それに俺が作るのではなくて、誰かを雇えばたくさん作れるからね。
話も終わり部屋をでて、商業ギルドを後にし屋敷に戻った。
そして2階の娯楽施設に向い、遊べるものを増やした。
ボーリングやゴブリン叩きゲーム、ベアベアパニックだけではね…。
そして夕方になり久しぶりに『なごみ亭』に行き食事をしてきた。
ビルさん家族は元気で、お店も忙しそうだった。
そして夜になった。
この世界は夜が長く、TVやパソコンもないから今まですることがなかった。
だが今は違う。
そう考え俺は新しいゲームを作った。
その名も『ゴブリンクエスト』だ。
大きさはゲームセンターにあるアーケードゲーム機くらい。
画面を見ながら、ハンドルとボタンで移動や攻撃の操作をする。
この世界に銃はない。
だからオルガさん達には、イメージしづらいと思い剣からスタートする事にした。
あらすじはこうだ。
ある日ゴブリンのスタンピードが起き、街に攻めてくる。
スタンピードとは魔物の集団暴走を指す。
スタンピードが起こる多くの場合、上位種であるロードやキングが出現する。
上位種が現れるとゴブリンは興奮度が増し、普通より何倍も脅威度が増す。
ゴブリンは繁殖力が非常に強く、メスが居ないため異種間で強姦し繁殖をする。
その大掛かりなメスを探す行為だとも言われている。
上位種を倒すと興奮が冷め、ねぐらに帰る。
プレイヤーはまず剣を持ち、冒険者の討伐隊に入りゴブリンを倒しながら進む。
倒していくと武器や防具、アイテムを拾う事もある。
そして装備や武器を強化し、必殺技を駆使しながら進んで行く。
最後にはこのスタンピードの原因である、ロードやキング倒すゲームだ。
卓上のゲーム機のようにセーブ機能もある。
「おぉ、これは楽しいなエリアス!!」
オルガさんが夢中になって遊んでいる。
「このやろう!くそ!!」
ドカ、ボカ、ドカ、ボカ、
ドカ、ボカ、ドカ、ドカ、
「オルガさん、壊れますから。叩かないでくださいよ」
「しかし、このゴブリンの野郎が…!!」
アリッサさんが見ているだけで、つまらなそうな顔をしている。
仕方がない。
俺はストレージの『創生魔法』で、もう1つゲーム機を創った。
このゲームのあらすじは、こうだ。
妖精が悪魔に封印され、世界には魔物がはびこるようになった。
その世界を救うため、封印された8人の妖精を解放するための旅をするゲームだ。
その名も『フェアリーファンタジー』
初期装備の武器は弓と風魔法。
最後には8人の妖精を従え、悪魔を倒すのが目標だ。
そして確率は低いがボーナスイベントもある。
8人の妖精を揃えるとドラゴンを呼ぶことができる。
するとなんでも好きな望みを、1つだけ叶えてくれる。
しかし望みを叶えると、8人の妖精達は世界に散りまた封印されてしまう。
一からやり直しにはなるが、それも楽しみの一つだ。
アリッサさんも夢中になって遊んでいる。
「この悪魔め!」
アリッサさん、そんなところでリアルの風魔法はだめですよ~!
それを見ていた俺は、途中で眠くなり部屋に戻った。
今度から2人共ゲームをする時は、時間制限をしないと駄目だな。
商会も立ち上げ、やっとこれから俺達の生活が始まる。
円の下部にエリアス商会の文字と、左右を向く女性の横顔を描いた。
正面右の女性は耳が頭部にある。
下側でクロスした麦の穂が、左右から上部に大きく伸びている。
人族と異種族と及ばれている人達が、手を携えてやって行けるように考えたロゴだった。
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読んで頂いてありがとうございます。
王都に行ったけど、特に何もなかった…。
物語はまったり、のんびりと進みます。