第50話 多目的トイレ

文字数 2,439文字

「エリアス君、前から言っているでしょう?あなたは警戒心が足りないわ」
 俺はアリッサさんに怒られてしまった。

「そうだぞエリアス。お前は素直過ぎるからな」
 オルガさんにも怒られた。
 聞かれたから答えただけなのに。
 
「アレックさんとノエルさんでしたか。ちょっと宜しいかしら?」
 アリッサさんはそう言うとオルガさんと4人で、離れた場所に移動していった。


 俺は考える。
 加工技術が発達し電気があれば、この屋敷の設備はいずれ作れると思う。
 話を聞くとどうやらそれも難しいかもしれない。
 なぜなら教育の場と、それを生かせる職場が無いからだ。
 どんなに才能があっても、貧しい家に生まれれば学問もできない。
 一生貧しい暮らしの中で消えていく。
 
 転移前に住んでいた国に例えると、一国が県1.5くらいの大きさくらいだ。
 情報網も無く2つ隣の国があるのは知っているが情報が入ってこない。
 だからその先にある国々が分からない。
 この大陸がどこまで続いているのかさえ誰も分からないようだ。

 ある程度の化学技術が発展するには、生活の向上が不可欠だ。
 産業が発達すれば職業選択の自由ができる。
 生活に余裕ができれば子供を産む人数も多くなる。
 そうなれば消費が増え、それに伴いまた産業が発展し働く場が増える。
 
 それに学校を作る。
 一部の貴族の人達が読み書きや勉強で学んでも、生活の向上や生活に役立つものを作ろうとは思わないだろう。
 だが庶民出なら自分が豊かになる為、売れそうなみんなが喜ぶものを作るはずだ。


 それには領土を広げることが不可欠だ。
 県レベルの広さでは出来ないことがある、それは人口と作物面積だ。
 どこかの地域が不作でも、どこかの地域は豊作かもしれない。
 領土が広がれば領土間の道を整備し、流通を盛んにできる。
 人が動くことでお金も動き、働く場も増える。
 働けばお金が入り消費をする。
 生活に余裕ができればできるほど、消費は多くなりその商品を作る会社が出来る。
 会社が出来ればそこで働く人がおり、給料をもらい余裕が出来れば消費をする。


「エリアス君、ちょっといいかしら?」
 冒険者ギルドの受付、コルネールさんだ。
 彼女は20歳くらいで、肩まである赤みがかった金色の髪をしている。
「アリッサから聞いたわ。トイレがとても良いって」
「ウォシュレットですか?」
「そう言うみたいね。ぜひ見てみたいわ」

 俺はコルネールさんにそう言われ、1階のトイレに行った。
 ゆっくりできるように、どのトイレも少し大きめに出来ている。
 多目的トイレというやつだ。

 俺とコルネールさんは2人でトイレに入った。
 そしてウォシュレットの使い方を、コルネールさんに教える。 
 なんだか変なシュチュエーションだ。
 
「ここのボタンを押しと…、そしてこうすると…」
 するといきなりコルネールさんが、俺の両肩を押し壁に押し付けられた。

「エリアス君、お姉さんはね…もう我慢できないの…分かる?!」
 コルネールさんの顔を見ると、縦長の金色の目をしていた。

 縦長の金色の目?!
 するとなぜか俺はコルネールさんに逆らえなくなってしまった。

 コルネールさんは、縦長の金色の目を更に細めた。
 そして俺の顔に顔を近づけ、両肩に手を添えたまま長い舌を出す。
 先端が二股に分かれた舌で俺の顔を舐め始める。


 俺はとっさに鑑定を使った。
【スキル・鑑定】簡略化発動!
 名前:コルネール
 種族:ラミア族
 年齢:490歳
 性別:女
 職業:呪術師
 レベル:47

 ラミア族?!

【スキル】世界の予備知識発動!!
『世界の予備知識』は俺のスキルの1つで、調べたいことを思うと目の前に検索画面が現れ、パソコン画面を見ているように調べ物が出来る能力だ。
 だが『Guguru』とは言わない。なぜなら俺は『Yaho』派だからだ。

 検索結果:
『ラミア族とは?
 上半身は人間の女性、下半身は蛇の種族。
 ラミアの下半身に締めつけられる性行為は「ロールミー」と呼ばれマニア向け』
 
 な、なんだこの雑学的な情報は?!
 たまにあるよな、検索したら知りたいことがヒットしないことって。
 
 目線を下げるとコルネールさんのスカートから覗いているのは足ではなく、黒光りする蛇の様なウロコをつけた足2本分くらいの胴体だった。

 されるがままのプレイか…。

 コルネールさんが俺にkissをしてきた。
 長い舌でかき回される。

 すると何かが吸い取られるような感じがした。


「う~ん。思っていた通り、エリアス君は美味しいわ」
 コルネールさんが口を放し嬉しそうに言う。
 なにが美味しいんだろう?
「それは良かったです」
 俺はわからないまま礼を言う。

 するとコルネールさんは、少し口角を上げると小さい牙が見えた。
 そしてまた口を吸われる。
 そうkissではなく何かを吸われているのだ。

 いつの間にかコルネールさんの下半身に巻き付かれていた。
 ざらざらしたウロコが前後に動き当たる。

 15歳の俺の体はそれに耐えきれなくなり暴走した!!
 オルガさん、アリッサさん御免よ~!!

 俺は我慢できなくなり、思わず応えてしまったのだ。
 コルネールさんの口を夢中で吸った。


「うぅ~~~~ん」

「うぅ~ぅ~ぅ~~ん」

「うぅ~ぅ~ぅ~~~んぐ~~~ぐ~~ん」

 あれだけ俺を求めていたコルネールさんが、俺を突き放そうとしている。
 これはあれか?
 するのは良いけど、されるのは嫌なの的なワガママちゃんか?!

 いつの間にか俺とコルネールさんの向きが入れ替わっていた。
 俺が壁にコルネールさんを押し付け口を吸っている。
 コルネールさんは恍惚とした白目をむき…?
 白目?!

 すると突然、ドアが開きそこにはオルガさんとアリッサさんがいた。
「「 なにをしているのエリアス君?! 」」
 何を、て?
 

 向こうの世界にいた時に、多目的トイレで問題を起こした芸能人を思い出した。

「た、多目的トイレは、こう言うことをする場所で…」

 俺は混乱し訳の分からないことを言っていた。
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登場人物紹介

★主人公


・エリアス・ドラード・セルベルト


 男 15歳


 黒髪に黒い瞳 身長173cmくらい。


 35歳でこの世を去り、異世界の女神により転移を誘われる。

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