第70話 いざ王都へ
文字数 2,330文字
俺は王都でアバンス商会のアイザックさんが売る、穀物をストレージに収納した。
そして俺達はアレン領を出発した。
俺、オルガさんとアリッサさん。
『赤い翼』のアドレーさん、ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。
アバンス商会はアイザックさん。
お披露目会の時にも来ていたお供2人と御者が1人の全員で11名だ。
俺がいるジリヤ国は内陸にあり、四方を山や隣国に囲まれている。
王都を国の中心に作り、それを守るように東西南北に6つの領を、更に王都寄りの東西に2つの公爵家を配置し外敵に備えている。
アレン領は王都から一番、東端にある街だ。
そこから西に向かい王都の東隣にある、ウォルドの街を目指している。
ウォルドの街を経由して王都に入るそうだ。
馬車で6~7日と聞いていたが、実際は野営だと4日くらいで着くらしい。
しかし天候の悪い日もあり安全性を考え、村や町に泊まりながら行くと約7日というわけだ。
馬車の前後左右を、Dランクパーティー『赤い翼』の4人が囲んで歩く。
そして左右が、アリッサさんとオルガさんだ。
俺も今は歩いている。
当初、運送だから馬車に載らないか、とアイザックさんに言われたがお断りした。
馬車を引く馬は2頭で中にはアイザックさんと、お供の2人が居る。
何が悲しくて男4人で、馬車に載らなければならないんだ。
お供の2人は顔も思い出せないくらい影が薄い。
存在自体を意識させないくらいだ。
ある意味、凄い才能だ。
そして俺は馬車の周りで、自由にしているという訳だ。
すると突然、アリッサさんが叫ぶ!!
「ここから先に、魔物が居るみたい。見てくるわ」
「私も行こう。後は頼む」
オルガさんがそう言うと、アリッサさんの後を追っていく。
2人はしばらく先を走り、左右の林の中に入って行く。
ドガッ!!ギャア!!バシッ!ザッ!! ドンッ!!
ザッ!!ドンッ!!ドガッ!!ギャア!!
ドオン!!ドガッ!!ギャア!!ザッ!!ドンッ!!
物凄い音がしたかと思うと左右の林から、オルガさんとアリッサさんが出て来た。
しばらくして馬車は2人が待つ場所まで進んだ。
「こちらは、かたずけたよ」
「こちらもよ」
「なにがあったのですか?」
アイザックさんが馬車を降り、2人に尋ねる。
「ワイルドドッグの群れが待ち伏せしていたようです」
アリッサさんが答える。
「な、なんとワイルドドッグですか?!」
「ここからは気を引き締めて行くよ」
オルガさんもやる気、満々だ。
「さすが獅星龍オルガさんと、アリッサさんですな。あっという間に倒されるとは」
「それが朝から魔力が突然上がった気が。風の感知魔法の範囲も広がったわ」
アリッサさんが言えば、オルガさんも答える。
「アリッサさんもか?私も今朝から急に力が湧いてきて…。実際、攻撃力がいつもより上がっているのがわかるよ」
「朝、礼拝堂で旅の無事を祈ったてきたから、そのご利益かもね」
「そうかもしれないわ。あははは」
2人がそんな話をしている。
「ワイルドドッグはギルドで、換金できますか?」
俺はアリッサさんに聞いてみた。
「えぇ、魔石と毛皮が僅かだけどお金になるわね」
「では、勿体ないので拾っていきましょう」
俺はそう言って林の中に入った。
2人が倒したワイルドドッグをストレージに収納していく。
オルガさんが倒したワイルドドッグは首を一太刀で6匹。
アリッサさんの方は弓矢と風魔法で倒したようで5匹だった。
「凄いな。オルガさん達2人が居たら、俺達はいらないな。あははは」
Dランクパーティー『赤い翼』の、アドレーさんが力無く笑っている。
「しかし道が狭くて視界も悪く、馬車で行くには道が悪いですね」
「そうなんですよ。我々商人は荷物を運ぶので馬車を使いますが、体力があれば徒歩の方がいいかもしれません」
アイザックさんの話では馬車は、少し大きめの石を踏んだだけですぐに横転する。
しかも乗り心地は最悪。
馬2頭で引いた場合は人が歩く速度とほぼかわらない。
馬車を使う場合は高貴な人を載せるとか、荷物を運ぶ場合だけだとか。
荷物が手で持てる範囲なら、歩いた方が良いと言われた。
「後は体力があればですな。今回は荷物をリアス様がお持ちいただいていますが、歩き続ける体力がもうありませんから結局、私は馬車を使っています」
「道の整備を国はやらないのでしょうか?」
「どういう意味でしょうか?」
「道を広げ整備すれば、王都から各領への行き来がよくなり物流が盛んになります」
「ほう、それはそうですな」
「そして整備に人を雇えば失業率も下がり、予算を気にするなら一日三食の食事を出せば働く側には相場より安い賃金だったとしても人手は集まると思います」
「多分、国はそこまでの余裕がなく他国が攻めて来た時、外枠の領が突破された時のことを考えているのでしょう」
「他国に攻め込まれることがあるのでしょうか?」
「以前はあったようですが、ここ数十年は各国と国交を結び争いはございません」
「それなら内政に力を入れ経済力を付ければ、人口は増え消費が進み経済的に国は力をつけられます。自国より人口が多い国に、攻めようとする国は無いと思うので」
「自国を豊かにすることで国力が増し、他国が攻めづらくなる。もっともなお話しですな。ですがせめて道くらいは整備してほしいものです」
「なに2人で難しい話をしているのかしら?さあ、いきましょう」
アリッサさんにそう言われ、アイザックさんは再び馬車に載り俺達は歩き出す。
そう言えば前に聞いた話では、領や国が管理しているのは城壁の中だけ。
森は明確な線引きが無くよほど派手にやらなければ、自由にできると聞いたけど。
それなら。
俺はあることを思い付いた。
そして俺達はアレン領を出発した。
俺、オルガさんとアリッサさん。
『赤い翼』のアドレーさん、ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。
アバンス商会はアイザックさん。
お披露目会の時にも来ていたお供2人と御者が1人の全員で11名だ。
俺がいるジリヤ国は内陸にあり、四方を山や隣国に囲まれている。
王都を国の中心に作り、それを守るように東西南北に6つの領を、更に王都寄りの東西に2つの公爵家を配置し外敵に備えている。
アレン領は王都から一番、東端にある街だ。
そこから西に向かい王都の東隣にある、ウォルドの街を目指している。
ウォルドの街を経由して王都に入るそうだ。
馬車で6~7日と聞いていたが、実際は野営だと4日くらいで着くらしい。
しかし天候の悪い日もあり安全性を考え、村や町に泊まりながら行くと約7日というわけだ。
馬車の前後左右を、Dランクパーティー『赤い翼』の4人が囲んで歩く。
そして左右が、アリッサさんとオルガさんだ。
俺も今は歩いている。
当初、運送だから馬車に載らないか、とアイザックさんに言われたがお断りした。
馬車を引く馬は2頭で中にはアイザックさんと、お供の2人が居る。
何が悲しくて男4人で、馬車に載らなければならないんだ。
お供の2人は顔も思い出せないくらい影が薄い。
存在自体を意識させないくらいだ。
ある意味、凄い才能だ。
そして俺は馬車の周りで、自由にしているという訳だ。
すると突然、アリッサさんが叫ぶ!!
「ここから先に、魔物が居るみたい。見てくるわ」
「私も行こう。後は頼む」
オルガさんがそう言うと、アリッサさんの後を追っていく。
2人はしばらく先を走り、左右の林の中に入って行く。
ドガッ!!ギャア!!バシッ!ザッ!! ドンッ!!
ザッ!!ドンッ!!ドガッ!!ギャア!!
ドオン!!ドガッ!!ギャア!!ザッ!!ドンッ!!
物凄い音がしたかと思うと左右の林から、オルガさんとアリッサさんが出て来た。
しばらくして馬車は2人が待つ場所まで進んだ。
「こちらは、かたずけたよ」
「こちらもよ」
「なにがあったのですか?」
アイザックさんが馬車を降り、2人に尋ねる。
「ワイルドドッグの群れが待ち伏せしていたようです」
アリッサさんが答える。
「な、なんとワイルドドッグですか?!」
「ここからは気を引き締めて行くよ」
オルガさんもやる気、満々だ。
「さすが獅星龍オルガさんと、アリッサさんですな。あっという間に倒されるとは」
「それが朝から魔力が突然上がった気が。風の感知魔法の範囲も広がったわ」
アリッサさんが言えば、オルガさんも答える。
「アリッサさんもか?私も今朝から急に力が湧いてきて…。実際、攻撃力がいつもより上がっているのがわかるよ」
「朝、礼拝堂で旅の無事を祈ったてきたから、そのご利益かもね」
「そうかもしれないわ。あははは」
2人がそんな話をしている。
「ワイルドドッグはギルドで、換金できますか?」
俺はアリッサさんに聞いてみた。
「えぇ、魔石と毛皮が僅かだけどお金になるわね」
「では、勿体ないので拾っていきましょう」
俺はそう言って林の中に入った。
2人が倒したワイルドドッグをストレージに収納していく。
オルガさんが倒したワイルドドッグは首を一太刀で6匹。
アリッサさんの方は弓矢と風魔法で倒したようで5匹だった。
「凄いな。オルガさん達2人が居たら、俺達はいらないな。あははは」
Dランクパーティー『赤い翼』の、アドレーさんが力無く笑っている。
「しかし道が狭くて視界も悪く、馬車で行くには道が悪いですね」
「そうなんですよ。我々商人は荷物を運ぶので馬車を使いますが、体力があれば徒歩の方がいいかもしれません」
アイザックさんの話では馬車は、少し大きめの石を踏んだだけですぐに横転する。
しかも乗り心地は最悪。
馬2頭で引いた場合は人が歩く速度とほぼかわらない。
馬車を使う場合は高貴な人を載せるとか、荷物を運ぶ場合だけだとか。
荷物が手で持てる範囲なら、歩いた方が良いと言われた。
「後は体力があればですな。今回は荷物をリアス様がお持ちいただいていますが、歩き続ける体力がもうありませんから結局、私は馬車を使っています」
「道の整備を国はやらないのでしょうか?」
「どういう意味でしょうか?」
「道を広げ整備すれば、王都から各領への行き来がよくなり物流が盛んになります」
「ほう、それはそうですな」
「そして整備に人を雇えば失業率も下がり、予算を気にするなら一日三食の食事を出せば働く側には相場より安い賃金だったとしても人手は集まると思います」
「多分、国はそこまでの余裕がなく他国が攻めて来た時、外枠の領が突破された時のことを考えているのでしょう」
「他国に攻め込まれることがあるのでしょうか?」
「以前はあったようですが、ここ数十年は各国と国交を結び争いはございません」
「それなら内政に力を入れ経済力を付ければ、人口は増え消費が進み経済的に国は力をつけられます。自国より人口が多い国に、攻めようとする国は無いと思うので」
「自国を豊かにすることで国力が増し、他国が攻めづらくなる。もっともなお話しですな。ですがせめて道くらいは整備してほしいものです」
「なに2人で難しい話をしているのかしら?さあ、いきましょう」
アリッサさんにそう言われ、アイザックさんは再び馬車に載り俺達は歩き出す。
そう言えば前に聞いた話では、領や国が管理しているのは城壁の中だけ。
森は明確な線引きが無くよほど派手にやらなければ、自由にできると聞いたけど。
それなら。
俺はあることを思い付いた。