第71話 コットンロード
文字数 3,114文字
ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
「……アス。おい…なにを…」
「え?なんで…か?…聞こえ…せんよ」
「だから…うるさく…」
ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
俺はオルガさんに肩を揺すられ手を止めた。
「な、なあ、エリアス。さっきからなにをやっているんだ?」
「え?見た通りですよオルガさん」
「それはわかるが…これは…」
俺は道が悪いのでストレージを使い、目の前の空間を馬車2台分の幅で切取る。
木々や土も含め50cmくらい深く、地面の土も一緒に一度収納する。
それにアスケルの森で採取した、赤玉土と要らない多数の鉱物を交ぜ地面に戻す。
戻した土の部分に、時空間魔法で時間を加速させ土を硬くする。
赤玉土を交ぜているので、水捌 けの良い道路のできあがり~~!!
「できあがり~!じゃないわよ。一体なにをしているのよ」
「嫌だな~道路整備ですよ、アリッサさん。見たらわかるじゃないですか」
「そういうことを言っているのではないわ!どうしてこんなことをしているのよ?」
「道がよくなれば多くの人が、行き来して領が栄えます。さっき話しましたよね」
「それはそうだけど…」
後ろを振り向くと馬車2台分、約4m近くの道幅の綺麗な道路が出来ている。
「道幅が無く見通しが悪いから襲う方も、襲いやすくなるんです。道幅があれば魔物や、盗賊に襲われた時でも対応が早くできます」
「あなたは、まったく。アイザックさん、このことは内密に願います」
「勿論です。しかしこんな素晴らしいことをされて、内密にされるとは…」
「逆にエリアス君が、大騒ぎされるのも困りますから」
「わかっております」
アイザックさんは馬車の窓を開け、こちらのやっていることを見ている。
「それから『赤い翼』のみなさんも、内密にお願いしますね」
「エリアスには借りがあるから、言わないよ。それに言っても信じてもらえそうも無いからね」
リーダーのアドレーさんが代表して答える。
そして俺達は道を整備しながら王都に向かう。
4時間くらい歩くと休憩することになった。
ある意味、4時間歩きっぱなしも凄いけど。
「さあ、休みましょうか」
このまま道の真ん中に止まっても、邪魔になるな。
俺はそう思い左側の道路脇に馬車が縦に、3台並べるくらいの待避所を作った。
ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
みんな慣れたのか、もう何も言わなくなっていた。
そしてそれぞれ座り込み、皮の水筒に入った水を飲んでいる。
「はあ、暑いぜ~」
『赤い翼』のアドレーさんが言う。
6月末の日差しは強く汗ばむ。
カラ~ン!!
ガラス製のグラスに氷が落ちる音がした。
みんなが一斉に音のする方に振り向く。
あれ?
みんなどうしたんだろう?
俺達は丸テーブルと椅子を、ストレージから出して座っている。
そして日差しが強いので、大きめのパラソルをテーブルの真中に挿している。
ガラスのグラスに生活魔法で、氷を作りグラスに落としていく。
カラ~ン!! カラ~ン!!
そして俺達3人は森で採れたオレンジを、ジュースにしてグラスに注いだ。
トク、トク、トク、トク、トク、
「ぷふぁ~!!冷たくてうまい!!」
「本当ね、美味しいわ」
オルガさんとアリッサさんが、嬉しそうな声をあげる。
すると、どこからか視線を感じた。
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
「おいエリアス。美味しそうじゃないか」
「アドレーさん達も飲みますか?」
「えっ?!もらえるのか?」
「も、もちろんですよ、みなさん」
俺はそう言って『創生魔法』で丸テーブルと椅子4つを2セット創り、ストレージから出した。
「どうぞ、お座りください」
みんなそれぞれテーブルに座る。
1つのテーブルはDランクパーティー『赤い翼』のアドレーさん。
ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。
もう1つはアバンス商会のアイザックさんとお供の2人だ。
「マジック・バッグの容量があると、こんなに旅は快適なんですね」
「便利なのはマジック・バッグではなくて、エリアス君だよね~」
そう言ったのは『赤い翼』の紅一点のエリノルさんだ。
エリノルさんは締まった体をして、出るところは出ている素敵な大人の女性だ。
脳筋のアドレーさんには、勿体ないくらいの女性だ。
「誰が脳筋だ。こら!!」
「まあ、エリアス君たら、素敵な大人の女性だなんて」
エリノルさんは照れている。
今日のメンバーも俺の思考が読める、超能力者の集まりだったか…?!
「素晴らしい。これはお持ちの冷蔵庫で作った氷ですよね」
「え、えぇ。そうです…」
「やはり魔道具は生活を変えてくれる道具ですね。製氷を前面に出せば、王都で更に高く売れそうです」
「それは良かったです」
そして俺達はまた歩き出す。
ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
道路整備をしながら俺は進む。
旅がしやすくなるのは良いものだから誰も俺を止めない。
整備の大きな音で魔物や魔獣が驚き、逃げていくとアリッサさんが言っていた。
風の感知魔法て便利だな。
俺もそんな便利な魔法が使えたらな…。
そんなことを考えながら、王都に向う旅は続く…。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※コットンロード(Ukkipedia調べ)
ジリヤ国王都とアレン領を結ぶ古代の交易路の総称。
ある日一夜にしてジリヤ国王都と、アレン領を結ぶ整備された道が出来た。
地面は水捌けが良く道幅は広いため、魔物や盗賊に襲われても体制を整える余裕が出来たと言う。所々に休憩所のような空地があり、休むこともできた。
この道を通って多くの商人達が行き来をした。
アレン領特産のカレーなどの調味料や、綿製品が王都に運ばれていった。
多くの人達が通っても、路面は荒れることが無く今も長い月日に耐えている。
解析不可能な鉱物で出来ており、その謎は現在も解けていない。
この名はジリヤ国の地理学者キンタ・クンテ(1233~1301年)によって命名され、広まったとされている。
「……アス。おい…なにを…」
「え?なんで…か?…聞こえ…せんよ」
「だから…うるさく…」
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俺はオルガさんに肩を揺すられ手を止めた。
「な、なあ、エリアス。さっきからなにをやっているんだ?」
「え?見た通りですよオルガさん」
「それはわかるが…これは…」
俺は道が悪いのでストレージを使い、目の前の空間を馬車2台分の幅で切取る。
木々や土も含め50cmくらい深く、地面の土も一緒に一度収納する。
それにアスケルの森で採取した、赤玉土と要らない多数の鉱物を交ぜ地面に戻す。
戻した土の部分に、時空間魔法で時間を加速させ土を硬くする。
赤玉土を交ぜているので、水
「できあがり~!じゃないわよ。一体なにをしているのよ」
「嫌だな~道路整備ですよ、アリッサさん。見たらわかるじゃないですか」
「そういうことを言っているのではないわ!どうしてこんなことをしているのよ?」
「道がよくなれば多くの人が、行き来して領が栄えます。さっき話しましたよね」
「それはそうだけど…」
後ろを振り向くと馬車2台分、約4m近くの道幅の綺麗な道路が出来ている。
「道幅が無く見通しが悪いから襲う方も、襲いやすくなるんです。道幅があれば魔物や、盗賊に襲われた時でも対応が早くできます」
「あなたは、まったく。アイザックさん、このことは内密に願います」
「勿論です。しかしこんな素晴らしいことをされて、内密にされるとは…」
「逆にエリアス君が、大騒ぎされるのも困りますから」
「わかっております」
アイザックさんは馬車の窓を開け、こちらのやっていることを見ている。
「それから『赤い翼』のみなさんも、内密にお願いしますね」
「エリアスには借りがあるから、言わないよ。それに言っても信じてもらえそうも無いからね」
リーダーのアドレーさんが代表して答える。
そして俺達は道を整備しながら王都に向かう。
4時間くらい歩くと休憩することになった。
ある意味、4時間歩きっぱなしも凄いけど。
「さあ、休みましょうか」
このまま道の真ん中に止まっても、邪魔になるな。
俺はそう思い左側の道路脇に馬車が縦に、3台並べるくらいの待避所を作った。
ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
みんな慣れたのか、もう何も言わなくなっていた。
そしてそれぞれ座り込み、皮の水筒に入った水を飲んでいる。
「はあ、暑いぜ~」
『赤い翼』のアドレーさんが言う。
6月末の日差しは強く汗ばむ。
カラ~ン!!
ガラス製のグラスに氷が落ちる音がした。
みんなが一斉に音のする方に振り向く。
あれ?
みんなどうしたんだろう?
俺達は丸テーブルと椅子を、ストレージから出して座っている。
そして日差しが強いので、大きめのパラソルをテーブルの真中に挿している。
ガラスのグラスに生活魔法で、氷を作りグラスに落としていく。
カラ~ン!! カラ~ン!!
そして俺達3人は森で採れたオレンジを、ジュースにしてグラスに注いだ。
トク、トク、トク、トク、トク、
「ぷふぁ~!!冷たくてうまい!!」
「本当ね、美味しいわ」
オルガさんとアリッサさんが、嬉しそうな声をあげる。
すると、どこからか視線を感じた。
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、
「おいエリアス。美味しそうじゃないか」
「アドレーさん達も飲みますか?」
「えっ?!もらえるのか?」
「も、もちろんですよ、みなさん」
俺はそう言って『創生魔法』で丸テーブルと椅子4つを2セット創り、ストレージから出した。
「どうぞ、お座りください」
みんなそれぞれテーブルに座る。
1つのテーブルはDランクパーティー『赤い翼』のアドレーさん。
ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。
もう1つはアバンス商会のアイザックさんとお供の2人だ。
「マジック・バッグの容量があると、こんなに旅は快適なんですね」
「便利なのはマジック・バッグではなくて、エリアス君だよね~」
そう言ったのは『赤い翼』の紅一点のエリノルさんだ。
エリノルさんは締まった体をして、出るところは出ている素敵な大人の女性だ。
脳筋のアドレーさんには、勿体ないくらいの女性だ。
「誰が脳筋だ。こら!!」
「まあ、エリアス君たら、素敵な大人の女性だなんて」
エリノルさんは照れている。
今日のメンバーも俺の思考が読める、超能力者の集まりだったか…?!
「素晴らしい。これはお持ちの冷蔵庫で作った氷ですよね」
「え、えぇ。そうです…」
「やはり魔道具は生活を変えてくれる道具ですね。製氷を前面に出せば、王都で更に高く売れそうです」
「それは良かったです」
そして俺達はまた歩き出す。
ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、
道路整備をしながら俺は進む。
旅がしやすくなるのは良いものだから誰も俺を止めない。
整備の大きな音で魔物や魔獣が驚き、逃げていくとアリッサさんが言っていた。
風の感知魔法て便利だな。
俺もそんな便利な魔法が使えたらな…。
そんなことを考えながら、王都に向う旅は続く…。
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※コットンロード(Ukkipedia調べ)
ジリヤ国王都とアレン領を結ぶ古代の交易路の総称。
ある日一夜にしてジリヤ国王都と、アレン領を結ぶ整備された道が出来た。
地面は水捌けが良く道幅は広いため、魔物や盗賊に襲われても体制を整える余裕が出来たと言う。所々に休憩所のような空地があり、休むこともできた。
この道を通って多くの商人達が行き来をした。
アレン領特産のカレーなどの調味料や、綿製品が王都に運ばれていった。
多くの人達が通っても、路面は荒れることが無く今も長い月日に耐えている。
解析不可能な鉱物で出来ており、その謎は現在も解けていない。
この名はジリヤ国の地理学者キンタ・クンテ(1233~1301年)によって命名され、広まったとされている。