吹雪のあと

文字数 293文字

山の形相
地に降りて
木々を鼓舞する

騒然の対義に
粛然あるのなら
その声に
触れてみたい
その匂い
食してみたい

吹雪ゆえ
その先にある
春を見たい

風、ひゅーひゆーひゆーと
荒ぶれながら走る
人々の秩序よそおった
言葉をも掻き消していく
洗濯物をも飛ばす

 無法地帯へ人々をけしかける
 日常から非日常へと……
 混沌、混沌

大風のなかへ
僕、わぁーわぁーわぁーと
笑いながら向かう

しがらみや茶番や
すべてを断ち切るために
失くし埋もれてしまった
言葉を見つけるために

混沌のなかにこそ
命の源ある確かに
そうなんだ

吠える四〇度
狂う五〇度
絶叫する六〇度
「なんやねん! 」

山の形相
地に降りて
樹木なぎ倒す

大風のあと
その先にある
希望の虹をみたい


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