万葉まほろば線

文字数 268文字

二上山(ふたかみやま)、深緑
古(いにしえ)のまんま
草刈り機、水田の側(そば)
ブーンブーンと鳴る
雲、流れていった

「こんなところから偉大な人物が生まれるんやろね」友は云った

農家の百日紅(さるすべり)、風のなか
その紅、キネマの郭(くるわ)のよう
豪奢にざわついた

「偉大な人物? 例えば、昔、聖徳太子、今、・・・」友は自分の名を続けた

僕、笑う 「ハッ、ハッ、ハッ」
友、笑う「ヒッ、ヒッ、ヒッ」

万葉まほろば線、ヒストリーを縫うよう
畝傍、耳成、天香久山をたずねいく

駅のプラットホーム、蜘蛛の巣
キラキラと輝いていく

農家の百日紅、なお、紅に染まっていく
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み