彼からの手紙
文字数 469文字
彼は病院のベッドで植物みたいに生きていた。身体は管と機器で支えられていたのだ。彼女は毎日やって来た。そして花に水をやるようにしゃべっていく。彼の声はどうやら彼女には聞こえていないらしい。
ディア彼女よーー 。手紙を書いても彼女には届かないらしい。
彼は異次元の世界をさ迷っている。
ある時、彼は悲しくて涙を流した。彼女が涙を拭いてくれた。その時からだ。二人は同次元の世界でつながりあえたのだ。
(いつも来てくれるんだ)「そう、毎日」
「調子はどう? 」(うん、まぁね)
「そうなんだ」(ありがとう)。
バレンタインの日、彼女がチョコレートを持ってきた。
(有り難う、倍返しやね)「倍、倍返しよ」。そして、彼女は笑いながら、「バイバイ」と帰っていった。彼は<これがホントのバイバイ返し>と、彼女以上に笑った。
彼はまだ管と機器で支えられている。でもこの調子なら彼の手紙も、もう彼女に届きそうだ。そう、啓蟄の頃、彼女の家の郵便ポストにぽつんと舞い込むだろう。
「かねてより病気療養中でありましたが、この度永眠、、、 」と、、、 。
ディア彼女よーー 。手紙を書いても彼女には届かないらしい。
彼は異次元の世界をさ迷っている。
ある時、彼は悲しくて涙を流した。彼女が涙を拭いてくれた。その時からだ。二人は同次元の世界でつながりあえたのだ。
(いつも来てくれるんだ)「そう、毎日」
「調子はどう? 」(うん、まぁね)
「そうなんだ」(ありがとう)。
バレンタインの日、彼女がチョコレートを持ってきた。
(有り難う、倍返しやね)「倍、倍返しよ」。そして、彼女は笑いながら、「バイバイ」と帰っていった。彼は<これがホントのバイバイ返し>と、彼女以上に笑った。
彼はまだ管と機器で支えられている。でもこの調子なら彼の手紙も、もう彼女に届きそうだ。そう、啓蟄の頃、彼女の家の郵便ポストにぽつんと舞い込むだろう。
「かねてより病気療養中でありましたが、この度永眠、、、 」と、、、 。