神の手

文字数 230文字

セミがこの世の不条理に
正義を、真理を、叫んでいく

いつかのシュプレヒコールのように
僕の夏を励ましていく

隠れたところ、無音のなか
大きなアシダカグモ
ゴキブリを食べていく

連なったアリたちの歩行 
今朝も労働、明日も修行

怠惰なキリギリスは零の歩行
働くことの尊さを盗み見ながら
秋まで空の彼方へ

雨を呼んだアメンボウ
水を澄ましたミズスマシ
この世を浄化するかのように
僕の夏の汚れ(けがれ)まで
青い空のもとへ

あぁ、コロナよ
神の右手で
自然のからくりのなかへ

神の左手で
宇宙の営みのなかへ
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