『見よ、わたしもみずからの知恵に飽きた』
文字数 1,439文字
『ツァラトゥストラの叙説』~冒頭のあらすじ~
ツァラトゥストラは30歳から40歳までの10年間、山の上の洞窟の中にこもり、孤独を楽しんでいた。
だが、ついに心が変わる。ある朝、朝焼けの太陽に向かって彼は語りかける。
「君も照らす相手がいなければ幸せではないだろう」と。
『太陽も照らす相手がいなければつまらないし日々天体として運行しているだけじゃ飽きるだろう』
と言って、
『自分も自分の知恵に飽きた』
から、
『この知恵を人々に分け与えたい』
と言っているわけだ、それも、まるで太陽の光のように。と」
ニーチェは『この人を見よ』でキリスト教をあれだけ批判していたのに、なぜ同じ表現をつかうのだろう」
わたしも、君のようにしなくてはならない。わたしが下っていこうとする人々の言い方を借りれば、没落せねばならない。