『幸福の発明、そしてヴァーチャル・リアリティ』
文字数 3,164文字
今、君の脳裏にそんな疑問が生まれたかもしれない……。
(え? 浮かんでないだって? ちゃんとサブタイトルを見てくれたまえよ)
さて、今回は前回に引き続き、『末人』についての説明から、彼らが発明したという幸福と、ヴァーチャル・リアリティの関係を紐解いていこう。
現代のIT社会をすでにニーチェは見据えていたようなのだ……。
「愛とは何か。創造とは何か。憧れとは何か。星とはなにか」ーーそう末人はたずねて、まばたきする。
そのとき大地はちいさくなっている。そして、その上にいっさいのものを小さくする末人が飛びはねているのだ。その種族は
「われわれは幸福を発明した」ーー末人はそう言って、まばたきする。
(あれはあれで面白い本だが……)
今のようなコンピュータどうしがつながりあったインターネット社会なんてものは、もちろん当時はなかったはずだ」
まあ、そんな冗談はさておき、とにかく、僕の想像上での類似点を当てはめてみると、
最初の『愛とは何か。創造とは何か。憧れとは何か。星とはなにか』は、
ネット上のバーチャル世界でこれらのことを問いかけているような気がするんだ。
そして、通信技術により世界は狭くなる、つまり『大地は小さく』なり、
いかがだったかな?
君たちの心のニーチェの声は響いているだろうか。
もちろん、こうした解釈は彼女たちの妄想にすぎないのかもしれない。しかし、この時代にも十分通用する『言葉』であることは確かなのだ。