幕間劇:『死亡推定時刻は100年前』
文字数 1,868文字
通常、女生徒たちは朝、お祈りを済ませるとそそくさと急ぎ足で(でも静かに)礼拝堂を後にする。
なぜって、朝食に間に合わなくなるからだ。
敬聖の学生は朝から忙しいのだ。
そんな中、ぽつんと居残るひとみ。
わりと目立つその姿を、不思議そうに観察する目があった。
と、そこに背後から声をかけてくる者がいた。
彼女たちに見られている本人は、悩んだすえにそろそろ何を悩んでいるのかよくわからなくなってきてしまっていた。
文字数 1,868文字
と、そこに背後から声をかけてくる者がいた。
彼女たちに見られている本人は、悩んだすえにそろそろ何を悩んでいるのかよくわからなくなってきてしまっていた。
敬聖学園図書委員。菅原《すがわら》ひとみ です!
明るく元気な一年生! たまに騒ぎすぎて先生に叱られてます。
うちの学園の図書室ってすごい大きいんです。礼拝堂の裏にある4階建ての建物が丸々「図書館」なんですよ。すごいよね。地下室もあるって噂もあったりして。
小早川栞理《こばやかわ・しおり》と申します。
何やら図書室の主だとか超能力者だとか名探偵の生まれ変わりだとか……。
色々と噂されているようですね。その上、二重人格だとか……。
ーーー
ふん、この切り替えは意図してやっていることだ。他人にどうこういわれる筋合いはないな。
(親しい人の前では男っぽくなります。その理由は本編をどうぞ)
押忍! ワガハイが新聞部部長、柏野《かしの》ようこである!
嘘である!
にゃはは。本当は図書委員でーす。壁新聞担当! でも、学園イチの情報通とは私のことよん!
噂話から真実の報道までなんでもリサーチ! 情報はおまかせっ!
『ツァラトゥストラかく語りき』河出文庫、佐々木 中 訳
2015年8月10日初版発行
菅原ひとみが選んだ最もあたらしい翻訳のツァラトゥストラ。
雰囲気的に「さん」付けで、愛称は『ツァラさん』
※作中の引用は2015年8月10日初版による。
『ツァラトゥストラ』(上・下) 光文社古典新訳文庫、丘沢 静也 訳
2010年11月20日初版発行
早乙女れいかのペアブック。現代風に再翻訳された読みやすさに定評のあるツァラトゥストラ。
愛称は『ツァラちゃん』
※作中の引用は2010年11月20日初版第1刷による。
『ツァラトゥストラ』中公文庫、手塚 富雄 訳
昭和四八年六月一〇日初版発行
小早川栞理が見出した、なかなかハードめの翻訳。硬質な日本語に浸りたい向きにはおすすめ。
無理やり決められた愛称は『ツァラ殿』
※作中の引用は第八版による。
栞理幼女バージョン (NEW!)
栞理 兄(NEW!)
ナレーター役の四天王その壱(シルエット)