第18話

文字数 690文字

不登校の女の子。何が気に入らないのか分からなかった。

同級生は朝早く、迎えを欠かさなかった。僕は、思い付いた。イタズラにも似た。それを。

僕「明日は僕も行くよ」

翌朝、同級生達と、合流して迎えに行った。

同級生「今日も来ないって、顔も見せないんだから」
僕はニヒヒ。となって。女の子の家の前。同級生がインターフォンを鳴らす。

出てきてくれたのは、母親。

母親「今日も出てこないって、分かってくれているのに、迎えに来てくれてごめんね?」

同級生達と僕は笑顔になった。
僕「君の事、好きな人が待ってるよっ!!

階段から聞こえる、タンタン、ターン。って音が。恥ずかしいって顔で。女の子の家を後にした。

その子の母親は、驚いた顔で。良かったもあわさっていた。

女の子「私を好きな人は誰?」

問い回っている女の子。一週間位して、女の子はまた、不登校になった。

当然、嘘がばれてしまった僕は、同級生、一人一人に確認した。

僕「好きか?嫌いか?って言ったら、どっち?」
同級生「んー。どっちか?言うたらなぁー。好きやな」

僕「そうだろう?ニヒヒ」

意思を伝える。臆病になってる女の子。嫌われるはずも、揉め事を起こすわけもなくって。

同級生と翌朝、再び迎えに行った。

僕「みんな好きだって、言ってるよーっ!!
同級生「キャハハッ」

恥ずかしそうに。女の子は一緒に学校に来てくれるようになった。

先生「一番、好きなんは、誰やろな?アハハッ」
僕「…深くは知りません」

先生と僕「キャハハッ」
小学生だった、僕は。いつも、苦虫を噛んだような顔で、その女の子に睨まれていた。

僕は、思ったんだ。右手、右足。左手、左足を揃えて歩んで行けば良いんだ、って。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み