第38話 パンを踏んだム⚪︎⚪︎
文字数 1,414文字
『前世は美少年』というお題を考えていたら思い出した。
うろ覚えなんだけど、
パンを踏んだむす⚪︎〜
パンを踏んだむす⚪︎〜
パンを踏んだ罪で〜
地獄に〜落ちた〜
神様〜に背いたインゲル
神様〜に背いたインゲル
子どもたちが覚えている。
おかあさん、よく話してくれたよね、と。
教育テレビの影絵だったと思う。
前世はすごい美少女で、家が貧乏なのが嫌で嫌で、子どものいない裕福な夫婦に、喜んで貰われていった。
毎日贅沢をしていたがある日、新しいおかあさんが、白いパンを持たせてくれ、本当のおかあさんに会いに行くことになった。
インゲルは貧しい家には行きたくなかったが、きれいな服を自慢してやろうと思い出かけた。
途中、大きな水たまりがあり、インゲルは考えた。靴を汚したくない。どうしよう……?
インゲルはみやげのパンを水たまりに置いて、その上を歩いた。
と、思ったら、水たまりに沈んでいった。
深い深い水たまりの底には恐ろしい魔女がいた。
「やあ、インゲル、やっと来たね。必ず来ると思っていたよ」
以下、忘れているので省略。
インゲルはようやく地上に出た。
けれども、もう人間の姿ではなかった。
インゲルは小さな鳥になっていた。
インゲルは、エサを見つけると、自分はほんの少し食べ、あとは他の鳥たちに分け与えた。
インゲルは改心したようだ。
さらに年月が経ち、インゲルは人間に戻れたか?
それほど甘くはないようだ。
インゲルはきれいなきれいな金色の美……鳥になった。
おしまい。
もう1回話して……
『パンを踏んだ娘』は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの創作童話である。1860に出版された。
ある村に、インゲルと言う美しい少女が住んでいた。インゲルは裕福な家庭へ奉公に出されたが、それは元から自分の美貌を鼻に掛けるところが有ったインゲルの高慢な性格に拍車をかけることとなった。
ある日、インゲルは里帰りをすることになり奉公先の夫人からお土産にパンを持たせられる。その帰り道、インゲルは雨上がりに出来たぬかるみの前で立ち止まる。そして、自分の新しい靴を汚したくないと思いお土産のパンをぬかるみに放り投げ、パンの上に飛び乗った。ところが、その途端にパンはぬかるみの底へインゲルを乗せたまま沈み、二度と浮かび上がることは無かった。
インゲルが慢心のために底無し沼へ沈んだ話は人々の間で語り草となり、その様子は地獄に落ちたインゲルの耳にも伝わって来た。そして、インゲルの母が愚かな娘を持ったことを嘆きながら死の床に就いても、インゲルはたかがパン一切れのためにどうして自分が地獄へ落ちなければならないのかと全く反省しなかった。
そんなある日、いつものように地上で底無し沼へ沈んだインゲルの話をしていた子供たちの中で一人の少女がインゲルを憐れみ、神様にインゲルが天国へ行けるよう祈りを捧げる。その少女もやがて年を取り、死の床に就くが、幼い頃に聞いたインゲルの話を片時も忘れることは無く、インゲルの為に涙を流して天に召された。
その祈りは聞き届けられ、インゲルは灰色の小鳥に生まれ変わる。そして、インゲルはどんな小さなパン屑であっても粗末にせず、他の鳥に分け与えた。そして、灰色の小鳥が他の鳥に分け与えたパン屑の量があの時に踏んだパンと同じ量になった時にインゲルの罪は許され、長い苦しみから解き放たれて天国へ召されたのであった。
(ログインが必要です)