第50話 原作を超える作品に

文字数 1,496文字

【お題】 隠された経歴


 松本清張の推理小説はずいぶん読んだ。

 隠された経歴で思いついたのは『砂の器』と『ゼロの焦点』

 

 成功した自分の過去を知る人物が現れた。

 絶対に知られてはならない自分の過去。

 

『砂の器』は映画になったときに観に行った。映像と音楽は圧巻。

 原作は読んでいたので、レコードも買った。

音楽監督・芥川也寸志、作曲/編曲・菅野光亮の『宿命』

芥川 也寸志(あくたがわ やすし、1925年(大正14年)7月12日 - 1989年(平成元年)1月31日)は、日本の作曲家、指揮者。

 小説家・芥川龍之介の三男として東京市田端に生まれる。長兄は俳優・芥川比呂志。

 父は1927年に自殺したが、也寸志は父の遺品であるSPレコードを愛聴し、とりわけストラヴィンスキーに傾倒した。


 父・龍之介に対しては尊敬の念を抱いていたが、同時に

「学校を卒業して社会に出た時には、ことある毎に〈文豪の三男〉などと紹介され、いい年をして、親父に手を引っぱられて歩いているような気恥ずかしさに、やり切れなかった」

「父が死んだ年齢である三十六歳を越えていく時は、もっとやり切れなかった。毎日のように、畜生!畜生! と心の中で叫んでいた。無論、自分が確立されていないおのれ自身への怒りであった」


 結婚を3度している。

 2度目の妻は女優の草笛光子である(1960年に結婚、1962年に離婚)


 逝去の前日、容態急変を聞き付け病院に駆け付けた黛敏郎の手を握り、回らぬ舌で

「あとをたのむ」

と言ったというエピソードが、東京新聞に掲載された追悼記事に残されている。

 最後の言葉は「ブラームスの一番を聴かせてくれないか……あの曲の最後の音はどうなったかなあ」

だった。

映画『砂の器』がテレビ放送されたとき、ラストシーン近くで真相が明かされる場面、丹羽哲郎演じる刑事が捜査会議で述べるセリフがある。

「当時は不治の病と思われていた、○○病であります」

 ○○病の部分だけ音声カットされた。

 この映画の中で、一番肝心な「○○病」というセリフが出てくるのはこの1か所だけ。それがカットされては、もはや映画全体のテーマが分からなくなるということである。

(砂の器と差別用語の話から)

『ゼロの焦点』も松本清張の長編推理小説。

 北陸地方を舞台に、太平洋戦争直後に端を発する時代の傷痕が生んだ連続殺人事件を描く。

 1961年・2009年の2度にわたり映画化、また多数テレビドラマ化されている。

  


 1961年3月19日公開。製作は松竹大船、配給は松竹。監督は野村芳太郎。

 能登金剛・ヤセの断崖をクライマックスの舞台とする、松本清張原作映画の中でも著名な作品のひとつとなった。第12回ブルーリボン賞助演女優賞(高千穂ひづる)受賞。


  

 原作以上の作品になったのは、芥川也寸志の音楽があったから。『砂の器』以上だという声も。

本映画公開後、能登金剛周辺地域で投身自殺が急増し、多い年には18人の自殺者が確認されるにいたった。当時19歳の女性が、

『ゼロの焦点』の舞台となった能登金剛で死ぬ。との遺書を残して自殺した事件を契機に、女性の霊を慰め、更なる自殺者が出ないようにと、能登金剛の巌門には、本作にちなんだ歌碑が立てられた。歌碑には

「雲たれて ひとりたけれる 荒波を かなしと思へり 能登の初旅」

と、原作者直筆の文字が刻まれている。

 

 主人公と犯人が崖上で相対する演出は、のちに2時間ドラマなどで多用、定番化されたため、現在では、しばしば本映画がこの演出の原型と位置づけられている。

(Wikipediaを参考にしました)

『お気に入りの音楽』から抜粋しました。

 

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